カナダにおけるノンバイナリー概念から見るジェンダーの変容
Project/Area Number |
19KK0307
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Research Category |
Fund for the Promotion of Joint International Research (Fostering Joint International Research (A))
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 08010:Sociology-related
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
鶴田 幸恵 千葉大学, 大学院人文科学研究院, 准教授 (00457128)
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Project Period (FY) |
2020 – 2022
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥15,210,000 (Direct Cost: ¥11,700,000、Indirect Cost: ¥3,510,000)
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Keywords | トランスジェンダー / ノンバイナリー / Trans+ / アイデンティティ・カテゴリー / オンライン・アーカイヴ / ジェンダー / 性別二元論 / インタビュー |
Outline of Research at the Start |
本研究は、女と男に二元化されない新しい性別概念である「ノンバイナリー」というアイデンティティ・カテゴリーがどのようなものかを、カナダでのフィールドワークとトランスジェンダー、ノンバイナリーの活動家へのインタビューをもとに明らかにする。インタビューによって得たデータを、社会学の一つの手法であるエスノメソドロジー・会話分析の方法を用いて分析することで、ノンバイナリー概念が相互行為の中でどのように使用されているのか、またそれによって性別という現象にどのような新たな理解がもたらされているのかを析出する。
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Outline of Annual Research Achievements |
まず、カナダのビクトリア大学に倫理申請を行った。すでにデジタル・オーラルヒストリー・アーカイヴの倫理申請を行ったことのある研究者と連絡を取りながら、倫理申請のための書類を作成した。また今回はコロナ禍での調査研究となったため、ビクトリア大学のコロナ禍でのその時点での指針に従いながら、調査が可能になるように、書類を作成した。その結果、インタビュー調査は、すべてオンラインでせざるを得ないという判断をした。申請までに、共同研究者のアーロン・デヴォーと検討を行い、3回の書き直しを行ったが、申請後に数点の修正を要求されたのち、調査可能となった。その後、プライバシー保護のため、インタビュー・データなどを、ビクトリア大学の安全なサーバ上にのみ保存するようにするための、領域の確保に2ヶ月ほどかかり、さらに調査開始時期が遅れたが、今年度は、5人の活動家にインタビューを行うことができた。また、そのすべてのデータのトランスクライブを行い、分析を開始した。 以上の過程において、カナダに住むノンバイナリーを含むトランスジェンダーの活動家にインタビュー調査を行い、それをオンラインで見られるアーカイヴとして公開し、またそのデータをエスノメソドロジーや会話分析、あるいは概念分析の手法で分析して、性別規範の有り様を明らかにするというこのプロジェクトは、北米におけるアルファベット・スープと呼ばれるほど多数で多様なジェンダー・アイデンティティやアイデンティティ・カテゴリーのあり方が、どのようなものであるのかを探求する試みとして、位置づけ直されることになった。 その結果、基研究課題である日本におけるトランスジェンダーの活動家へのインタビューから日本の性別規範を描く試みも、日本におけるトランスジェンダーに関わるアイデンティティ・カテゴリー群の有り様を分析するものとして、捉え直すことができるようになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍での渡航となり、研究開始が遅れ、さらにコロナ禍における調査の可能性とのすりあわせなどにより、調査の開始も、かなり遅れてしまったため。さらに、データの保存の規定も日本よりかなり厳格なため、ビクトリア大学のデータ管理の部門が対応してくれるのを、予期せぬほど待たなければならなかったため。また、ビクトリア大学内での研究者の活動も、コロナ禍での州や大学の行動規制に、かなり左右されたため。
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Strategy for Future Research Activity |
オンラインでの定期ミーティングを行うが、オンラインでは対応できないこともあるため、定期的な再渡航を検討している。また、追加で調査を行い、分析を進める。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)