ヒト・モノ・カネといった経営資源の流動性の程度は、イノベーションの生成とそのコストにどのような影響を与えるのだろうか。これが、本研究課題の基本的な問いである。経営資源の流動性の高さはイノベーションを促進すると先行研究では考えられてきた。それらの流動性を高める政策が様々な国でとられている。しかしながら、本当にこれらはイノベーションを促進するのだろうか。本研究では、流動性が高い(高まった)アメリカやイギリスと流動性が低かった(低くなった)日本の企業の長期的な時系列の比較分析を通じて、流動性が高まることがイノベーションの生成のパターンとイノベーションのコストにどのような影響があるのかを分析する。
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