Elucidation of the mechanism of spontaneous healing of injured anterior cruciate ligament applying a mechanobiology mechanism of development
Project/Area Number |
19KK0411
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Research Category |
Fund for the Promotion of Joint International Research (Fostering Joint International Research (A))
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 59010:Rehabilitation science-related
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Research Institution | Saitama Prefectural University |
Principal Investigator |
国分 貴徳 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 准教授 (10616395)
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Project Period (FY) |
2020 – 2022
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2020)
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Budget Amount *help |
¥15,210,000 (Direct Cost: ¥11,700,000、Indirect Cost: ¥3,510,000)
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Keywords | 前十字靭帯 / メカニカルストレス / 発生 / 発達 / 前十字靭帯損傷 / 自己治癒 / メカノバイオロジー |
Outline of Research at the Start |
前十字靭帯(ACL)損傷は,近年受傷患者の年齢層拡大が指摘され,受傷者の治療に対するニーズも多様化している.これに対し我々は,手術を行わずにACLを治癒に導く保存的治療法の確立へ向け基礎データを蓄積してきた.本研究計画では,損傷ACLが治癒に向かう過程における生物学的な反応を促進させるメカニズムを,発生生物学の知見を応用して解明し,治療パラダイムの変革に繋がる基礎データを提示することが目標である.
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Outline of Annual Research Achievements |
当初の予定では,当該年度の9月より1年間相手先研究機関へ渡航し,本研究テーマを実施する予定で準備を進めていたが,昨今の感染症の影響により渡航できなかったため,国内において本研究課題における予備的内容に着手した.本研究課題では,マウスの膝関節を対象として,発生初期の関節内における細胞が密な状態から,如何にして各細胞の運命が決定され,前十字靭帯やその他の関節組織へ分化誘導されていくのかについて,発生発達の過程におけるメカニカルストレスの変遷との関連から解明を目指すものである.本年度は,正常な前十字靭帯の発生発達過程における時間的経過の解明を目指し,胎生期から生後早期のC57BL6マウスにおける膝関節内の組織学的変化を経時的に追跡した.また,対照組織として,同じ下肢で荷重の影響を強く受けるアキレス腱をターゲットに追加し,比較を行った.結果として,胎生15.5日の胎児マウスでは膝関節内に未分化な細胞が充満し、胎生17.5日齢で大腿骨後方から脛骨前方にかけて細胞が線状に配列される様子が確認された.生後0日の新生児マウスでは,組織像上でACLの靱帯形状を明確に示すまでに変化し,PSR染色において偏向下でのコラーゲン繊維の観察が可能になった.生後14日にかけて,核の減少とともにコラーゲン線維が明確に観察された.また胎生期から生後の時間変化とともに核は楕円状から長軸軸方向へ細長い形状へ変化した.以上より,胎生期では17.5日齢前後で前十字靭帯が形作られることが明らかとなった.胎生期の発生過程は前十字靭帯とアキレス腱で異なるものの,生後の発達過程には共通性が見られた.現時点では胎生期に,如何なる変化が母体内で起きているかは明らかではない.一方,生後の発達期では,荷重によるイベントの変化に応じて前十字靭帯の成熟が促進されていく様子が観察され,メカニカルストレスの重要性を再認識した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初は,2020年度中から1年間渡航し,渡航先の実験環境で実施可能な内容を実施している予定であったが,感染症の影響により現時点で渡航できていないため,当初の予定より大幅に遅れている.一方で,当初は渡航期間終了後,所属施設に戻ってから行う予定であった実験に向けて,実験環境の整備を行うことができた点は,今後へ向けてポジティブな要素である.
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Strategy for Future Research Activity |
現時点において,次年度においても渡航できるかどうかについては不明瞭であるため,現在の感染症に伴う種々の状況が好転するまでは,所属施設において実施可能な内容を進めていく.2021年3月末に,所属施設の動物実験設備の改修工事が終了し,様々な実験系が実施可能な状況が整ったため,次年度中に渡航できない場合であっても,渡航先研究機関からの実験動物の提供を受け新規実験系を確立していくことを予定しており,渡航先からも既に協力の許諾を受けている.まずは次年度内の渡航開始を目指すが,難しい場合であっても所属施設内において主たる実験系の一部が実施できるよう準備を進めている状況である.
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)