病原菌が持つメナキノン新規生合成経路の全容解明と経路特異的阻害剤の探索
Project/Area Number |
20018023
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
大利 徹 Toyama Prefectural University, 工学部, 准教授 (70264679)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥7,200,000 (Direct Cost: ¥7,200,000)
Fiscal Year 2009: ¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2008: ¥4,000,000 (Direct Cost: ¥4,000,000)
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Keywords | メナキノン / 生合成 / futalosine hydrolase / inhibitor / hypoxanthine / futalosine / de-hynoxanthine futalosine / cyclic de-hypoxanthinefutalosine / 1, 4-dihydroxy-6-naphthoate |
Research Abstract |
メナキノン(ビタミンK)は、微生物にとって電子伝達系成分として生育に必須である。筆者は、Helicobacter属(ピロリ菌)、Campylobacter属、Wolinella属などの病原微生物や、放線菌Streptomyces属などの微生物では、今まで知られていた経路とは全く異なるフタロシン経路で生合成されることを見出した。今年度、本経路の2番目の反応を触媒するfutalosine hydrolase(MqnB、最近EC3.2.2.26が付与された)の諸性質を高度好熱菌Thermus thermophilusの組換え酵素を用いて検討した。その結果、以下の性質を示した。(1)Futalosineのみが基質となり他の核酸類縁体は基質にならないこと、(2)4量体を形成、(3)至的pHは4.5、(4)至的温度は80度、(5)Km値154.0±5.3μM、kcat1.02/s、(6)hypoxanthineにより弱く阻害されること(Ki値1.1mM)。本酵素がhypoxanthineにより弱く阻害されたことから、hypoxanthine誘導体を合成し、本酵素特異的阻害剤を探索することにより、抗ピロリ菌剤の開発が可能になると期待された。 また天然物からの抗ピロリ菌リード化合物の探索も行った。大学設備ではピロリ菌を培養できないため、2種類のBacillus属細菌を用いた系で一次スクリーニングを行った。同じBacillus属に属しながら、Bacillus haloduransがメナキノン生合成の際、新規経路を使うのに対し、Bacillus subtilisは既知経路を使う。そこで、(1)B.haloduransに対し抗菌作用を示すが、B.subtilisには影響を及ぼさない化合物を放線菌・カビの培養液中に探索した。次に、(2)B.haloduransに対する生育阻害が、外からメナキノンを添加した際、回復するか検討した。その結果、放線菌の培養中に1つの候補化合物を見出した。現在、本化合物の精製と構造解析を行っている。
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Report
(2 results)
Research Products
(11 results)