センサータンパク質の信号伝達における共通立体構造の役割
Project/Area Number |
20038037
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
水野 操 Osaka University, 大学院・理学研究科, 助教 (10464257)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | 時間分解共鳴ラマン分光法 / 光受容タンパク質 / 古細菌型ロドプシン / 光異性化 / タンパク質応答 / 光センサータンパク質 / BASドメイン構造 / イエロープロテイン / 変異体 / 水素結合 / チロシン残基 |
Research Abstract |
センサータンパク質は、外部刺激センサーとなる補欠分子族だけでなく、それを取り囲むタンパク質の立体構造が共通であるものが多く存在する。本研究では、タンパク質の共通立体構造が、生理機能に果たす役割に注目し、外部刺激により引き起こされるタンパク質ダイナミクスを、時間分解紫外共鳴ラマン分光法をもちいて実時間観測し、機能発現機構の解明を目的とする。 本年度は、共通立体構造を持ちながら、センサーだけでなく異なる機能を示す典型的な光受容タンパク質である古細菌型ロドプシンについて、タンパク質ダイナミクスを追跡し、機能に重要と考えられる構造変化を調べた。古細菌型ロドプシンは、レチナール発色団の光励起により起こる異性化反応に応答した光サイクル反応を行う。プロトンポンプタンパク質であるバクテリオロドプシン、および光センサータンパク質であるセンサリーロドプシンIIについて、初期に現れる反応中間体(J,K,KL)のタンパク質構造を調べた。これらの中間体において、古細菌型ロドプシン共通の発色団周辺に存在するトリプトファンおよびチロシン残基の構造が変化する過程を観測することに成功した。それぞれのタンパク質における初期ダイナミクスでは、特にJ中間体において、構造変化の過程に違いがみられることがわかった。このことから、反応の初期段階で機能を決定付ける構造変化があることが示唆された。本研究から、紫外共鳴ラマン分光法による初期ダイナミクス観測は、タンパク質機能の発現機構解明の一役を担うことが期待され、さらに詳細な実験研究が必要であることが示された。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)