電子伝達蛋白質複合体の構造化学的解明とその会合・解離の分子機構
Project/Area Number |
20051002
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
石森 浩一郎 Hokkaido University, 大学院・理学研究院, 教授 (20192487)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内田 毅 (内出 毅) 北海道大学, 大学院・理学研究院, 助教 (30343742)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥6,000,000 (Direct Cost: ¥6,000,000)
Fiscal Year 2009: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2008: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
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Keywords | シトクロムc / シトクロム酸化酵素 / X線小角散乱 / 回転半径 / 散乱曲線 |
Research Abstract |
本年度に得られた研究成果の概要は以下のとおりである. 1.シトクロム酸化酵素(CcO)の結合により誘起されるシトクロムc(Cytc)における構造変化の解明Cyt cまその電子受容体であるCcOと結合し,CcO-Cytc電子伝達複合体を形成する際には,その立体構造が変化することで電子伝達反応を制御していると考えられる.一般にはこのような高分子量の膜蛋白質であるCcOを含む蛋白質複合体の構造解析は困難であるが,^<15>NラベルしたCyt cを用いて3D-^1H-^<15>N NOESYHSQC(^<15>N-edited NOESY)を用いることで,CcO結合によるCytcの構造変化を検出することに成功した.特に,本研究者等のこれまでの研究から推定されたCyt cのCcOに対する相互作用部位周辺がCcOの結合に伴い有意な構造変化が観測され,Cyt cはCcOと電子伝達複合体を形成する際にはその相互作用部位付近に特異的な構造変化を起こすことが示唆された.今後さらに定量的な構造解析を進めることにより,構造変化による電子伝達の制御機構が明らかになると期待できる. 2.ドッキングシミュレーションによるCcO側の会合部位の同定 東京大学の北尾准教授の研究グループと共同で,CcO-Cytc電子伝達複合体形成の際のCcO側の相互作用部位について検討を行った.剛体モデルを用いたドッキングシミュレーションの結果,Cyt c側の相互作用部位は本研究者らがNMRを用いて実験的に明らかにした部位と一致し,一方,CcO側も予想通り,負電荷と疎水性のアミノ酸残基による相互作用部位の形成が認められた.さらにここで得られた結果についてMDを適用することにより,さらに詳細にCcO)側の相互作用部位を明らかにすることで,CcO側からもCcO-Cytc間の電子伝達機構を解明できると期待できる.
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)