Budget Amount *help |
¥6,600,000 (Direct Cost: ¥6,600,000)
Fiscal Year 2009: ¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2008: ¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
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Research Abstract |
開口放出で働く繋留因子であるexocyst複合体は,Sec3, Sec5, Sec6, Sec8, Sec10, Sec15, Exo70, Exo84の8つのサブユニットから構成される分子量約750kDaの複合体である.本研究は,exocyst複合体と,それに相互作用して小胞と細胞膜との繋留の制御を行う低分子量GTPase群との複合体の立体構造解析により,繋留の物理的機構およびその制御機構の構造基盤を確立することを目的とした.電子顕微鏡で得られる二次元投影像を利用した単粒子解析とX線結晶構造解析の双方の利点を生かしながらexocyst複合体の原子モデル構築を行うために,バキュロウイルスの発現系を用いた複合体の再構成を行い,得られた複合体およびサブ複合体の解析を行うことを目標とした.exocyst複合体の各サブユニットを発現するバキュロウイルスを調製し,安定なサブ複合体や複合体全体を発現させるための共感染実験を行ったが,構造解析に適する複合体を得るには至っていない.一方,出芽酵母のexocyst複合体は,Sec3サブユニットのN末端ドメイン(Sec3-N)を介してRho1/Cdc42やイノシトールリン脂質PtdIns(4,5)P_2と結合し,標的膜を認識する.我々は,Sec3-NとRho1との複合体の結晶構造を2.6A分解能で決定し,立体構造に基づいて設計した変異体のin vitroでの結合解析およびin vivoでの局在観察を行うことによって,Sec3サブユニットを介したexocyst複合体の標的膜認識メカニズムを明らかにした(Yamashita et al., Nature Structural & Molecular Biology, 2010).
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