なつかしさの起源を探る:認知心理学・脳科学的記憶研究からのアプローチ
Project/Area Number |
20653052
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Experimental psychology
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
川口 潤 名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (70152931)
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Project Period (FY) |
2008 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2010: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | ノスタルジア / エピソード記憶 / 感情 / 自伝的記憶 / 脳神経科学 / 音楽 / マーケティング / なつかしさ / 記憶 / ヒット商品 |
Research Abstract |
人は,日常場面において, 過去の音楽や流行ったものと出会うと,単に過去の記憶を想起するだけでなく,「なつかしさ」という複雑な感情を伴った心的状態におちいることがある.本研究はこの点について,以下の側面から検討しようとするものである ・ 「なつかしさ」はどのような心的過程を経て生まれてくるのであろうか ・ 記憶の機能が深く関わっていることは確かであるが,記憶の進化から考えて「なつかしさ」どのような働きをしているのであろうか 本年度は,以下の点について検討を進めた 1) なつかしさ(nostalgia)喚起の時間的特性の検討 過去約15年にわたるヒット曲を用いてなつかしさ感情が迅速に生起するかどうかを検討した.その結果,音楽提示から3秒弱でなつかしさ感情が生起すること,また自伝的記憶の詳細さ想起との相関は有意であったものの,その成分ですべてが説明されるわけではないことが明らかとなった 2) なつかしさ感情生起の神経基盤に関する実験的検討 なつかしさ感情生起の際にどのような脳活動が生じているかを明らかにするために,昨年度に引き続き実験参加者を増やしてfMRI実験を実施した.その結果,音楽提示によって自伝的記憶の想起と関わる部位の活動が高まること,またなかでもなつかしさを強く感じた場合と感じていない場合とで異なった領域の活動が見られることが明らかとなった これらの成果について,Psychonomic Society大会において「Brain activity during feeling nostalgia and retrieving autobiographical memories : An fMRI study using music excerpts」と題して発表を行った.また,なっかしさがどのような心理的機能を持っているかという側面について,「ノスタルジアとは何か:記憶の心理学的研究から」という論文にまとめた
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Report
(3 results)
Research Products
(8 results)