琉球列島における絞め殺し植物アコウの遺伝的多様性維持機構
Project/Area Number |
20658039
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Forest science
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Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
金谷 整一 独立行政法人森林総合研究所, 森林遺伝研究領域, 主任研究員 (90353648)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大谷 達也 独立行政法人国際農林水産業研究センター, 林業領域, 主任研究員 (80353613)
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Project Period (FY) |
2008 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥4,581,645 (Direct Cost: ¥4,581,645)
Fiscal Year 2010: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,381,645 (Direct Cost: ¥1,381,645)
Fiscal Year 2008: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 琉球列島 / 絞め殺し植物 / アコウ / 遺伝的多様性 |
Research Abstract |
本課題は、琉球列島における森林生態系の保全に資するべく、特異な生活型をもつアコウについて、種子散布者が遺伝的多様性の維持や集団間の遺伝的分化にどのように影響しているのかを検証することを目的として実施した。遺伝解析に先立ち、アコウ独自の核マイクロサテライトマーカー(nSSR)を17座開発した。1座当たりの対立遺伝子数は5~18(平均:9.5)であり、ヘテロ接合度は0.054~0.787(平均:0・594)であった。解析には、琉球列島から九州本土(五島列島含む)までの22集団から533個体(3~44個体/集団)を採取して実施した。集団に特異的に出現した対立遺伝子数は、与那国島で9、石垣島で7であり先島諸島で多かった。各集団の遺伝的多様性を示すヘテロ接合度(He)は0.484~0.764、アレリックリッチネス(Ar)は2.26~3,32であった。分布北限(九州本土)の集団は琉球列島の集団より、若干低い多様性を示したが、琉球列島北端の屋久島は、九州本土ほど多様性は低くなかった。集団の遺伝的分化の程度(Gst)は0.074であり、海洋による遺伝的隔離が生じていると考えられた。屋久島において大型種子散布者であるサルの糞内にあった大量の種子を発芽させ、解析したところ非常に多様性が高かった。また屋久島では、一樹冠内に異なる遺伝子型の樹幹が含まれていることが確認された。このことは、樹冠内にあったサルの糞より発芽した実生が成木に成長している可能性を示唆している。すなわち、サルによる種子散布は大量かつ多様な種子を広範囲に分散させるとともに、花粉による遺伝子交流(近距離あるいは一樹冠内)の機会を増加させることに寄与していると推察される。したがって、大型の種子散布者は、アコウの遺伝的多様性の維持あるいは高めるために非常に重要な存在であると考えられた。
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Report
(3 results)
Research Products
(1 results)