Project/Area Number |
20903004
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
外国語・外国文学
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
須山 哲治 Waseda University, 高等学院, 教員
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Project Period (FY) |
2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥580,000 (Direct Cost: ¥580,000)
Fiscal Year 2008: ¥580,000 (Direct Cost: ¥580,000)
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Keywords | 滄浪詩話 / 中国古典美学 / 厳羽 |
Research Abstract |
【研究目的】 中国宋代に成立した詩論書『滄浪詩話』は、後世の詩論・詩学に対する影響が甚大であった。本研究では『滄浪詩話』に見える詩学用語のうち、最も重要なものの一つである「興趣」の意味を明らかにする。 【研究方法】 「興趣」とは「興」と「趣」という概念の複合語だが、研究期間が一年間と限られていることから、本年度は「趣」の意味に留意しつつ、「興」と「趣」及び「興趣」と「趣」の関係を分析対象の中心とした。なお、従来の研究と比して本研究は、中国美学範疇理論研究の手法を用いたことに特色がある。具体的には以下の二点である。 (I) 従来のように中国文学(詩学)方面の理論書のみならず、中国美学という学問領域の観点から、絵画・書法・音楽などの分野の理論書も研究対象としたこと。 (II) 術語の意味解明に系譜学的手法を用い、各時代における意味の変遷を捉え、そこから「興趣」という概念の新しさや意義を探ろうとしたこと。 【研究成果】 まず、「趣」概念の意味については、以下のことを明らかにした。 (1) 「趣」には(1)、面白みや趣き、(2)、景物と作者とが一つに融け合ったときに生じる趣き、という二つの意味が存在することを確認した。 また、「興」と「趣」及び「興趣」と「趣」の関係についても分析をし、次のことを解明した。 (2) 「興趣」の「趣」は(1)、(2)どちらの意味も存在している。 (3) ただし、いずれにしても「趣」は「興」の意味と深い関係を有しており、従って、「興」の意味を解明することが、「興趣」の意味を決定する際に重要となる。 なお、本研究の成果については、現在論文の執筆が終了している。『漢学会誌』(大東文化大学)に2009年中に投稿の予定である。
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