Research Abstract |
キャリア発達の視点から,学校の教育活動全体を通じたキャリア教育推進のための教員研修に寄与するプログラムの開発を目的として,以下の研究を実施した。 1 小・中学校の教員のキャリア教育に関する質問紙調査 小・中学校の教員約120名を対象にキャリア教育に関する質問紙調査を実施した。因子分析の結果,現場の教員のキャリア教育に関する課題意識については,「授業実践」「指導計画の整備」「目標設定・評価」「指導時間確保」「教科等の指導と評価」「相談・連携」「体験活動」「各教科・領域等の有機的関連付け」の8つの因子が抽出された。各尺度間の相関から,「各教科等の指導計画の整備から評価規準の設定,具体的な授業プランの策定」「職場体験等の体験活動の実施と保護者・地域等との連携」に関する研修を求めていることが分かった。 2 キャリア教育研修内容の分類 キャリア教育に関して文部科学省が報告書等で例示した研修プログラムから,教員研修に求められる内容を整理・分類した結果,「共通理解を図る研修」「実践にかかわる研修」の2つの視点を得た。さらに研修の趣旨や目的から,「キャリア教育の本質的理解」「児童生徒のキャリア発達の状況理解と学習プログラムの枠組み作成」「キャリア・カウンセリング」「教科,領域におけるカリキュラム開発」「取組内容の重点化と全体計画等への反映」「校種間の連携・接続」の6つに分類することができた。 3 教員研修プログラムの開発 研修プログラムを「共通理解」「実践」の2つの視点から体系化し,教員研修の実施に必要なワークシートを開発した。
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