Project/Area Number |
20924002
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
工学Ⅴ(その他工学)
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Research Institution | イビデン(株)CSR・環境本部環境技術部 |
Principal Investigator |
本田 宗央 イビデン(株), CSR・環境本部環境技術部, 会社員
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Project Period (FY) |
2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥580,000 (Direct Cost: ¥580,000)
Fiscal Year 2008: ¥580,000 (Direct Cost: ¥580,000)
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Keywords | マイクロ・ナノバブル / 微細藻類 / 二酸化炭素 |
Research Abstract |
微細藻類は、家畜飼料、健康食品や化粧品の原料として大量培養が行われているが、地球温暖化問題が顕著となるにともない、二酸化炭素低減のために光合成藻類の研究が展開されている。本研究では、藻類の二酸化炭素吸収能を向上させるため、二酸化炭素を一般的な散気管による通気ではなくマイクロ・ナノバブルとして供給することで、大量培養を実現するための検討をおこなったので報告する。超微細気泡技術による微細藻類の培養の基礎的データを得るため、デュナリエラをモデルとして通常の空気をマイクロ・ナノバブルとして培地に供給する試験をおこなった。一般的な培養方法と比較するため、炭素源を除いたデュナリエラ用の培地を用い、コントロールとしてミリ・センチバブル(一般的な気泡)による空気供給(毎分100ml)及び2水準のマイクロ・ナノバブルによる空気供給(毎分2ml及び毎分10ml)をおこない、培養後の生育量(細胞数)とクロロフィル量を求めた。なお、培養は20度、5000luxに調整したインキュベーターで各2週間おこなった。マイクロナノバブル(毎分2ml)を供給することで、コントロールと比較して約2.4倍の細胞数の増加が確認された。しかしながら、マイクロ・ナノバブルの供給量を毎分10mlに上げた場合の細胞数は、コントロールの約半分となり高密度のマイクロ・ナノバブルの存在は細胞増殖に関して何らかの阻害要因となっていることが示唆された。また、同時におこなった顕微鏡観察では、細胞への損傷も認められた。クロロフィル量に関しては、ミリ・センチバブル供給とマイクロ・ナノバブル供給(毎分2ml)との間に大差はなく、マイクロ・ナノバブル供給(毎分10ml)においてはコントロールの30%以下に落ち込むなど、細胞数以上にマイクロ・ナノバブルによる悪影響が認められ、大量培養への応用は困難であると示唆された。クロレラについても同様な試験をおこなったが、少量のマイクロ・ナノバブルによる空気供給で細胞数が増加する一方、クロロフィル量に関しては減少するなどデュナリエラと同じ傾向が観察され、マイクロ・ナノバブルによる微細藻類への物理的影響が示唆された。この傾向は、供給ガスを空気から10%炭酸ガス混合空気に変更した場合にも認められた。以上より、微細藻類の培養においてマイクロ・ナノバブルによる効率的な二酸化炭素供給は困難と思われるが、きわめて高いガス溶解効率は確認されたため、その特性を利用した化学反応による二酸化炭素の固定技術の開発へ結びつけることで、マイクロ・ナノバブル技術のさらなる展開が期待される。
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