Project/Area Number |
20H00028
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Medium-sized Section 3:History, archaeology, museology, and related fields
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
大野 正夫 九州大学, 比較社会文化研究院, 教授 (00251413)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 裕二 高知大学, 教育研究部総合科学系複合領域科学部門, 教授 (00452699)
畠山 唯達 岡山理科大学, フロンティア理工学研究所, 教授 (80368612)
田尻 義了 九州大学, 比較社会文化研究院, 准教授 (50457420)
渋谷 秀敏 同志社大学, 研究開発推進機構, 嘱託研究員 (30170921)
加藤 千恵 九州大学, 比較社会文化研究院, 助教 (00828478)
足立 達朗 九州大学, 比較社会文化研究院, 助教 (00582652)
齋藤 武士 信州大学, 学術研究院理学系, 教授 (80402767)
桑原 義博 九州大学, 比較社会文化研究院, 教授 (90281196)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥44,980,000 (Direct Cost: ¥34,600,000、Indirect Cost: ¥10,380,000)
Fiscal Year 2023: ¥7,670,000 (Direct Cost: ¥5,900,000、Indirect Cost: ¥1,770,000)
Fiscal Year 2022: ¥11,700,000 (Direct Cost: ¥9,000,000、Indirect Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2021: ¥10,400,000 (Direct Cost: ¥8,000,000、Indirect Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2020: ¥15,210,000 (Direct Cost: ¥11,700,000、Indirect Cost: ¥3,510,000)
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Keywords | 考古地磁気 / 地磁気強度 / 年代推定 / 地磁気永年変化 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、地磁気の強さの「永年変化」を用いた過去3500年間(縄文時代後晩期以降)の遺跡・遺物の年代の決定方法を確立する。そのため、従来あまり利用されてこなかった土器片・甕棺・瓦などを主な資料とし、新手法である「綱川―ショー法」を用いて地磁気強度の推定を行い、地磁気強度変化の標準曲線を構築する。この地磁気強度永年変化曲線は東アジアの遺物・遺跡の新たな年代指標となると考えられる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、主として地磁気の強度の永年変化を用いた、過去三千五百年間の遺跡・遺物の年代決定の方法の確立を目指し研究を進めている。そのためこれまでは年代推定への適用が困難であった強度の標準曲線を新たに確立し、最終的に方位・強度の標準曲線を統合して、年代が未知の遺跡において数十年以内の精度で年代を測定する手法の確立を目標としている。 コロナ禍による活動制限が緩和され始めたことを受け、新たな資料収集の活動を再開し、分析を進めた。具体的には、大野城市の石勺遺跡の土器資料の提供を受けて、古地磁気強度測定を行った。これまで分析の対象としてきた御供田遺跡の土器資料の測定と同様に、まず全ての資料の自然残留磁化を測定した。全自動交流消磁装置付きスピナー磁力計の感度での測定の困難な残留磁化強度の弱い一部の資料をのぞいたそれ以外の資料を選定して、綱川―ショー法とIZZIテリエ法による古地磁気強度推定実験を進めている。これらの、石勺遺跡と御供田遺跡の土器資料からの結果を統合することで、弥生中期初頭から弥生後期後半にかけての強度の標準曲線の構築を進めている。また測定装置の整備・改良も再開した。特に、かねてより部品の手配を進めていた全自動交流消磁装置付きスピナー磁力計1台を、新たに九州大学に導入し立ち上げた。さらに3月には、太宰府市小正府遺跡の窯跡の資料採取も行った。 これまでに得られた研究成果の一部について、日本地球惑星科学連合大会、地球電磁気・地球惑星圏学会大会等で、多数の成果発表を行った。さらに、これまでに得られた考古学における古地磁気学や岩石磁気学の活用についての知見をまとめ、書籍「考古学と関連科学」に記して発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新たに大野城市の石勺遺跡の土器資料を獲得して、これまで行ってきた御供田遺跡の土器資料と合わせ、弥生中期初頭から弥生後期後半の土器資料の強度測定実験を行った。綱川―ショー法とIZZIテリエ法による古地磁気強度測定実験により、信頼度の高いデータが蓄積されつつある。目標とする強度の標準曲線について、弥生中期初頭から弥生後期後半の年代で強度が上昇する傾向がよりはっきりしつつあるなど、成果が挙がっている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、引き続き採取済試料の古地磁気強度の測定実験を進めることで弥生中期初頭から弥生後期後半の強度の標準曲線の完成を目指す。さらに今後、年代を広げて新たな資料を採取し、過去3千5百年間の地磁気強度標準曲線の完成を目指す。また考古地磁気強度測定実験について、これまで検討してきた考古試料に特化した新しい実験手法をさらに吟味し、その完成を目指す。
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