Project/Area Number |
20H00143
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Medium-sized Section 14:Plasma science and related fields
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
浅井 朋彦 日本大学, 理工学部, 教授 (00386004)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井 通暁 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (00324799)
長山 好夫 核融合科学研究所, その他部局等, 名誉教授 (10126138)
高橋 俊樹 群馬大学, 大学院理工学府, 准教授 (10302457)
岩本 弘一 日本大学, 理工学部, 教授 (30318357)
阿部 新助 日本大学, 理工学部, 准教授 (40419487)
高橋 努 日本大学, 理工学部, 特任教授 (50179496)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
|
Budget Amount *help |
¥44,330,000 (Direct Cost: ¥34,100,000、Indirect Cost: ¥10,230,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2023: ¥8,190,000 (Direct Cost: ¥6,300,000、Indirect Cost: ¥1,890,000)
Fiscal Year 2022: ¥10,660,000 (Direct Cost: ¥8,200,000、Indirect Cost: ¥2,460,000)
Fiscal Year 2021: ¥15,080,000 (Direct Cost: ¥11,600,000、Indirect Cost: ¥3,480,000)
Fiscal Year 2020: ¥6,110,000 (Direct Cost: ¥4,700,000、Indirect Cost: ¥1,410,000)
|
Keywords | 衝撃波 / 無衝突衝撃波 / 高ベータプラズモイド / 高速移送 / 高速リコネクション / FRC / 磁気再結合 / プラズモイド合体 / 合体不安定性 / 高ベータプラズマ / 自己組織化 / 粒子加速 / 実験室宇宙物理学 |
Outline of Research at the Start |
宇宙空間で生じる衝撃波は,粒子間衝突なく電磁場を介してエネルギー散逸が起こる無衝突衝撃波であり,天文学やプラズマ物理学における重要な研究課題である。宇宙空間では観測が限定されることから,実験室内に無衝突衝撃波を再現し局所情報と巨視的振る舞いを同時に捉えることが重要であり,本研究では実験室系で最も高いベータ値を持ち,その内部の広い領域でβが100%を超えるFRCプラズマを,相対速度100 - 1000 km/sに加速・衝突させ生成される無衝突衝撃波を直接観測し,衝撃波解析の結果と比較検証する,宇宙空間並の超高ベータプラズマ中の無衝突衝撃波に関する世界初の研究課題である。
|
Outline of Annual Research Achievements |
宇宙空間で生じる衝撃波の多くは,粒子間衝突なく電磁場を介してエネルギー散逸が起こる無衝突衝撃波であり,天文学やプラズマ物理学における重要な研究課題である。FRC(Field-Reversed Configuration: 磁場反転配位)と呼ばれる極限的な磁場閉じ込めプラズマがある。完全反磁性プラズマとも呼ばれ,トロイダル方向に流れる反磁性電流とそれがつくるポロイダル磁場,圧力勾配がそれぞれ直交することから,100%に近い極限的に高いベータを持ちながら,音速やアルヴェン速度を超える衝突や合体過程を経ても,極めてロバストにその磁場構造が保持される。特にこの合体過程においては,数十マイクロ秒の間に運動エネルギーから,熱や磁気エネルギーへの変換が生じており,衝撃波がそのチャンネルを担っている可能性について,実験による検証を進めている。 令和5年度は,本課題において改造を実施した実験装置により,無衝突かつ超音速・超アルヴェン速度領域での衝突合体を実施,計測を行った。改造後の装置では,衝突時の相対速度が200 - 600 km/s,1m程度のプラズマサイズに対して,平均自由行程が5cmから5mの範囲で実験を実施できる。衝突速度およびCollisionalityに対して前述のエネルギー変換の効率が極大を取る条件があることがわかり,最終年度となる令和6年度は,衝撃波遷移層の形成過程やエネルギー変換のメカニズムについて詳細な計測を進める。 また,2つのFRC様プラズモイドの合体プロセスについて,太陽フレアなどで観測するCurrent loop coalescenceとの類似性から議論を進めた。ポロイダル磁場しか持たないFRCプラズマがCompressiveであることから,非線形にリコネクションが加速することが予想され,理論モデルと実験結果を比較した結果,定量的な一致がみられた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
装置の改造およびその後の実験が計画通りに進展し,粒子間のクーロン衝突が支配的なパラメータ領域から,無衝突領域におけるプラズモイド衝突実験が実現した。またそのプロセスの内部計測のための各種プローブの実装も完了し,衝突プロセスの内部計測を実施する段階となった。 また,FRCの衝突合体において,運動エネルギーから,熱および磁気エネルギーへの変換が高速に生じていることが判明した。磁気リコネクションなどの時間スケールよりも高速に生じていることから,衝突により発生する衝撃波が変換のチャンネルとなっている可能性があることがわかった。このエネルギー変換プロセスについて,今後検証を進める。 さらに幾何学的な類似性から,太陽フレアなどで観測されるCurrent Loop Coalescence過程との比較検証をおこなった。ポロイダル磁場しか持たずCompressibleであるFRCは,Current Loop Coalescenceと同様に衝突・合体プロセスにおいてリコネクション速度が非線形に増大する可能性が指摘され,実験との比較を行った結果,リコネクション速度や加速率などの点で,理論モデルとの定量的な一致が示された。令和6年度には移送速度や衝突度との関係を検証する。
|
Strategy for Future Research Activity |
予定された実験が順調に進捗していることから,最終年度となる令和6年度はこれまでの実験結果について整理し,衝撃波の形成過程やFRC生成実験におけるその役割について考察を深める。また,MHDシミュレーションやPICシミュレーションによる評価を進め,実験結果との比較を行う。 また,プラズマの計測においては,内部磁場計測の空間分解能の向上により,衝突により駆動される不安定性の空間構造を直接計測することを目指す。また,レーザートムソン散乱法による局所的な密度・温度計測の準備を進め,衝撃波形成を伴うFRC合体プロセスの全容を理解することを目指す。
|