Project/Area Number |
20H00192
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Medium-sized Section 17:Earth and planetary science and related fields
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
関 華奈子 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (20345854)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 泰信 国立極地研究所, 共同研究推進系, 教授 (00362210)
桂華 邦裕 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 助教 (10719454)
平原 聖文 名古屋大学, 宇宙地球環境研究所, 教授 (50242102)
寺田 直樹 東北大学, 理学研究科, 教授 (70470060)
海老原 祐輔 京都大学, 生存圏研究所, 准教授 (80342616)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥44,460,000 (Direct Cost: ¥34,200,000、Indirect Cost: ¥10,260,000)
Fiscal Year 2023: ¥8,710,000 (Direct Cost: ¥6,700,000、Indirect Cost: ¥2,010,000)
Fiscal Year 2022: ¥10,790,000 (Direct Cost: ¥8,300,000、Indirect Cost: ¥2,490,000)
Fiscal Year 2021: ¥8,580,000 (Direct Cost: ¥6,600,000、Indirect Cost: ¥1,980,000)
Fiscal Year 2020: ¥16,380,000 (Direct Cost: ¥12,600,000、Indirect Cost: ¥3,780,000)
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Keywords | 惑星大気進化 / 宇宙環境 / 固有磁場 / ハビタブル惑星 / 大気散逸 / 内部磁気圏 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、大気を持つ地球型惑星(地球、火星、金星)の比較に基づき、惑星大気・宇宙環境の理解に向けた2つの重要な要素(宇宙空間への大気散逸と内部磁気圏の形成)に、固有磁場強度が与える影響を解明することを目的としている。そのために、独自の多成分MHDモデルと内部磁気圏モデルを観測との比較を通して改良するとともに、多流体MHDモデルを新たに開発する。開発したモデルを用いて3つの主要課題(1. 惑星からの大気散逸の質量依存性、2.内部磁気圏の形成が大気・宇宙環境に与える影響、3. 固有磁場強度の変化による大気散逸機構の変化)を系統的に整理し、固有磁場強度が惑星大気・宇宙環境に与える影響を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、大気を持つ地球型惑星の比較に基づき、惑星大気・宇宙環境の理解に向けた2つの重要な要素(宇宙空間への大気散逸と内部磁気圏の形成)に、固有磁場強度が与える影響を解明することを目的としている。そのために、独自の多成分MHDモデルと内部磁気圏モデルを観測との比較を通して改良するとともに、多流体MHDモデルを新たに開発する。開発したモデルを用いて3つの主要課題(1.大気散逸の質量依存性、2.内部磁気圏形成の影響、3. 固有磁場強度による大気散逸機構の変化)を系統的に整理し、固有磁場強度が惑星大気・宇宙環境に与える影響を明らかにすることを目的としている。以下では2021年度の主な成果を報告する。 ・FAST衛星による観測データの統計解析に基づき、電子降り込みやプラズマ波動によるエネルギーインプットに、電離圏からのイオン流出がどのように応答するかを調べ、太陽天頂角依存性を明らかにするとともに、モデルの境界条件としても使用可能な経験モデルを構築した。 ・地球内部磁気圏における「あらせ」衛星による異なるイオン種(H+, He++, He+. O++, O+)の観測データ解析から、磁気圏尾部での磁場形状の双極子化に伴って、荷数の低い重イオンが選択的に加熱されることを明らかにした。 ・火星大気への太陽高エネルギー粒子の降り込みによるオーロラ発光のモデル研究により、従来考えられていた電子だけではなく陽子の降り込みが火星diffuseオーロラに寄与することが示された。 ・太陽風ー非磁化惑星相互作用による大気散逸研究を進めるための多流体MHDモデル、および、火星・金星型のCO2大気に応用可能な熱圏モデルの両方の開発に着手し、初期結果を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画初年度には、観測との比較による数値モデルの改良・開発に着手するため、主に数値実験に携わるポスドク研究員の雇用を開始するとともに、数値モデル開発やデータ解析環境を整備する予定であった。しかし、新型コロナウィルス感染症拡大の影響により海外からの研究者招聘や雇用が難しくなったこともあり、ポスドク研究員の雇用開始を遅らせることになった。また、関連するEISCATレーダーのキャンペーン観測についても海外渡航を延期するなどの影響が出たため、経費の一部を繰越申請した。 計画2年目の2021年度には、遅れていた研究員雇用も年度当初から開始し、火星や金星のように二酸化炭素が主成分の大気にも応用可能な熱圏モデルおよび多流体MHDグローバルモデルの開発、観測との比較による検証などを行い初期結果を得ることができた。2021年度は昨年度に引き続き一部の海外渡航を延期したが、オンラインで対応できる部分はオンラインを活用し、現地作業が必要な部分については海外の研究協力者に作業を依頼するなどして当初の計画に追いついて研究が進展した。以上から2020年度に「やや遅れている」だった進捗状況は2021年度は「おおむね順調に進展している」に回復したと評価している。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度以降は、当初の計画に沿って研究を推進する予定であす。ただ2022年度には、2021年度に雇用したモデル開発担当の研究員が特任准教授に栄転することが決まっており、新たな研究員の雇用が必要となる。そのため、人員の確保と引継ぎなどがスムーズにいくかが課題であり、非常勤研究員を複数人雇用するなどの対応も含めて研究計画に支障がないよう検討する。
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