Structural elucidation of Wnt signaling mechanism using unique chemical tools
Project/Area Number |
20H00455
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Medium-sized Section 43:Biology at molecular to cellular levels, and related fields
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高木 淳一 大阪大学, 蛋白質研究所, 教授 (90212000)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2021)
|
Budget Amount *help |
¥45,500,000 (Direct Cost: ¥35,000,000、Indirect Cost: ¥10,500,000)
Fiscal Year 2022: ¥14,040,000 (Direct Cost: ¥10,800,000、Indirect Cost: ¥3,240,000)
Fiscal Year 2021: ¥14,170,000 (Direct Cost: ¥10,900,000、Indirect Cost: ¥3,270,000)
Fiscal Year 2020: ¥17,290,000 (Direct Cost: ¥13,300,000、Indirect Cost: ¥3,990,000)
|
Keywords | Wntシグナル / ケミカルバイオロジー / 立体構造解析 / 環状ペプチド / アンタゴニスト |
Outline of Research at the Start |
Wntは様々な組織幹細胞の分化状態を制御する鍵因子である。申請者はこれまでの研究で、ヒトWnt3の立体構造を世界で初めて解明するとともに、Wntが受容体と作る高次シグナリング複合体の構造モデルを提唱した。本研究では、モデルの実験的検証を、Wnt由来ペプチドや内因性アンタゴニストを利用した構造生物学的手法で達成する。さらに、Wntに結合して活性を修飾する環状ペプチドを中心としたケミカルバイオロジーツールを駆使し、それらの作用メカニズムの解明を通して、Wntシグナル伝達の分子論の理解を深めるとともに、環状ペプチドをプローブとしてこれまで不可能だった内因性Wntのイメージングや機能修飾を達成する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、様々な組織幹細胞の分化状態を制御する鍵因子であるWntシグナルパスウェイについて、ケミカルバイオロジーツールの作用メカニズムの解明を通してその分子論の理解を深めるとともに、環状ペプチドをプローブとしてWntシグナル伝達系の機能構造研究に応用することを目指し、以下の4つの業務項目に従って研究を進めた。 (項目1)Wnt3/3aヘアピンループとLRP6の複合体の構造解析を通した相互作用部位の同定: Wnt3由来のループ模倣ペプチド(LP3ss)とLRP6の複合体の結晶構造取得のため、LRP6の断片の生産と結晶化に成功し、2.09Åの分解能でその構造解析に成功したが、最終的にペプチドの構造モデルを置くことはできなかった。 (項目2)LRP6:USAG-1相互作用の構造基盤とWntシグナル阻害メカニズム:強いWntシグナル阻害活性をもつUSAG-1の中和抗体を京都大学の高橋克博士と共同で作製し、そのいくつかについて、中和活性がLRP6とUSAG-1の相互作用を阻害することを明らかにし、論文を発表した。 (項目3)機能修飾ペプチドとWnt3aの複合体の結晶構造解析と作用メカニズムの解明:すでに得ているマウスWnt3a結合性環状ペプチドPD04について、さらなる改変を行った結果、10番目のTrpをProに変異させることで約5倍の親和性向上が得られること、1番目のアミノ酸TyrはD体で無ければならないことを突き止めた。 (項目4)内因性Wnt3a可視化ツールの開発と「Wntシグナルイメージング」方法論の確立:活性阻害ペプチドであるPD04のビオチン化体を調製し、それが細胞中のインタクトのWnt3aに結合できることを確認した。さらに、PD04はマウスWnt3aだけでなくヒトWnt3aをも認識できることを明らかにした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
項目1についてはすでに構造解析を終えたので今年度で終了とする。項目2については中和のメカニズムに関する知見は得られ、論文発表にいたった。一方で、USAG-1と抗体の構造解析については本格的に着手することができず、遅れが出ている。項目3について、Wnt3aの生物活性を阻害するペプチドの高親和性化に成功したことは特筆に値する。Wntシグナルは様々な疾患に関わるので、その阻害剤は医薬品開発につながる可能性もある。ただし同ペプチドの難溶性のために、Wnt3aとの複合体の構造解析にはかなりの困難が予想される。項目4では当初期待していたFL29ペプチドが利用できないことが判明したが、PD04ペプチドが天然型のマウスおよびヒトWnt3aを等しく認識できることから、これを用いたイメージングの可能性は残されている。以上のように、目的を達成できた事項と計画変更を余儀なくされた未達事項が混在することから、「概ね順調な進展」と自己評価する。
|
Strategy for Future Research Activity |
項目1についてはすでに構造解析を終了したのでR3年度以降は実施しない。項目2についてはUSAG-1抗体のエピトープマッピングが終了したので、今後は抗体の組み換え発現と複合体結晶化を行う。項目3については引き続きWnt3a-PD04複合体の結晶化を試みる。項目4については、Wnt3a阻害ペプチドPD04の親和性の低さとその難溶性のため、これ以上の検討を継続することは必ずしも得策でないと判断した。そこで、あらたに項目5(アファミン結合環状ペプチドの取得とWnt3a精製への利用)を開始する。
|
Report
(2 results)
Research Products
(13 results)
-
-
-
[Journal Article] Lasso-grafting of macrocyclic peptide pharmacophores yields multi-functional proteins.2021
Author(s)
Emiko Mihara, Satoshi Watanabe, Nasir K Bashiruddin, Nozomi Nakamura, Kyoko Matoba, Yumi Sano, Rumit Maini, Yizhen Yin, Katsuya Sakai, Takao Arimori, Kunio Matsumoto, Hiroaki Suga, Junichi Takagi
-
Journal Title
Nature Communications
Volume: 12
Pages: 1543-1543
DOI
Related Report
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
-
-
-
[Journal Article] High affinity modified ACE2 receptors protect from SARS-CoV-2 infection.2020
Author(s)
Higuchi Y, Suzuki T, Arimori T, Ikemura N, Kirita Y, Ohgitani E, Mazda O, Motooka D, Nakamura S, Matsuura Y, Matoba S, Okamoto T, Takagi J, and Hoshino A.
-
Journal Title
DOI
Related Report
Open Access
-
-
-
-
-
-
-