Project/Area Number |
20H00566
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Medium-sized Section 58:Society medicine, nursing, and related fields
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Research Institution | National Defense Medical College |
Principal Investigator |
松尾 洋孝 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 分子生体制御学, 准教授 (00528292)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
早野 貴美子 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, その他, 教授 (40759031)
山本 健 久留米大学, 医学部, 教授 (60274528)
高田 龍平 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (90376468)
中山 昌喜 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 分子生体制御学, 講師 (50876000)
豊田 優 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 分子生体制御学, 助教 (80650340)
四ノ宮 成祥 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 分子生体制御学, 教授 (40505260)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥44,980,000 (Direct Cost: ¥34,600,000、Indirect Cost: ¥10,380,000)
Fiscal Year 2022: ¥11,310,000 (Direct Cost: ¥8,700,000、Indirect Cost: ¥2,610,000)
Fiscal Year 2021: ¥12,480,000 (Direct Cost: ¥9,600,000、Indirect Cost: ¥2,880,000)
Fiscal Year 2020: ¥14,690,000 (Direct Cost: ¥11,300,000、Indirect Cost: ¥3,390,000)
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Keywords | ゲノム個別化医療・予防 / ゲノム個別化看護 / サブタイプゲノムワイド関連解析 / CDMRV仮説 / ゲノム個別化予防 / ゲノム個別化栄養指導 / 痛風 / 高尿酸血症 / 低尿酸血症 / 尿酸輸送体 / 痛風遺伝子 / 分子遺伝疫学的解析 / ゲノム個別化看護・予防 |
Outline of Research at the Start |
申請者らは痛風の主要病因遺伝子ABCG2を同定後、世界に先駆けて痛風のゲノムワイド関連解析(GWAS)や世界最大規模の尿酸値のGWASを実施し、数々の新規遺伝子座を報告した。申請者らが国際競争をリードしている現状を保持し、痛風・高尿酸血症の分子疫学研究を発展させ、これらの遺伝要因の全容解明とゲノム個別化予防法を世界に先駆けて確立することを目指す。本研究の成果を基盤として「ゲノム個別化看護」や「ゲノム個別化栄養指導」を視野に入れ、医師だけでなく保健師、看護師、薬剤師、管理栄養士などの医療従事者が関わる独創的なゲノム個別化予防・医療の確立とモデルの提案につながる研究を実施する。
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Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者らは痛風の主要病因遺伝子ABCG2を同定し、さらにABCG2の解析を基に高尿酸血症の新規臨床分類を提唱した。また、世界に先駆けて明確に臨床診断された痛風のゲノムワイド関連解析(GWAS)や世界最大規模の尿酸値のGWASなどを報告し、数々の新規遺伝子座の同定に成功してきた。これらの日本発の研究を通じて、痛風・高尿酸血症は多因子疾患の中でも特に遺伝要因が強いため、ゲノム個別化予防・医療の重要なモデル疾患となり得ることを示した。 本年度は、その特殊性ゆえに過去のGWASであまり行われてこなかった、性染色体であるX染色体全体における関連解析(XWAS)を行い、新たな尿酸関連遺伝子を見出した(論文投稿中)。また、血清尿酸値との関連が報告されていたABCG2遺伝子の2つの変異が日本人で痛風と関連していることを見出した。そして、痛風の主要病因遺伝子ABCG2の変異(個人差)が、ポルフィリン代謝にも影響していることを見出した(論文投稿中)。さらに、腎性低尿酸血症の原因遺伝子であるURAT1遺伝子の変異が、痛風に対して強い保護的作用を持つことを見出した。これに関連して、腎性低尿酸血症の原因となる新規スプライシング変異を同定し報告している。このように、腎性低尿酸血症の研究が、痛風研究にも非常に有用であることを報告した。 本研究により得られる成果は、世界をリードして多因子疾患のゲノム個別化予防の先駆的な例を提示することに繋がる。さらに、本研究の成果を基盤として「ゲノム個別化看護」や「ゲノム個別化栄養指導」を視野に入れ、医師だけでなく保健師、看護師、薬剤師、管理栄養士などの医療従事者が関わる独創的なゲノム個別化予防・医療の確立とモデルの提案につながる研究を実施する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究では、1)症例対照研究による痛風の新規関連遺伝子の対策と同定、2)コホート集団を対象とした尿酸関連遺伝子の探索と分子機能評価、3)痛風と高尿酸血症の遺伝的背景の差異の探索と検証、4)尿酸関連遺伝子を対象とした脳卒中やパーキンソン病の分子遺伝疫学的解析、5)国際コンソーシアムを活用体制の構築・維持、6)リスク評価法の確立によるゲノム個別化予防・医療への応用、という6項目について研究を予定している。初年度においては、このうち1、2、3、5について成果を報告することができた。また、残る4、6についても、看護学の分担研究者との解析やディスカッションを含めて、当初の予定より早いペースで研究が進んでおり、来年度中には成果を報告できる見込みである。また他の項目においても引き続き研究を進めていることから、当初の計画以上に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度までの研究を引き続き発展させるほか、来年度は、脳卒中など他疾患の分子遺伝疫学的解析を行う予定である。さらに、リスク評価法の確立によるゲノム個別化予防・医療への応用についての解析が進んできていることから、エビデンスを伴う「ゲノム個別化看護」についても成果を報告できるよう、看護学の研究者を含む研究分担者との解析やとディスカッションを進めており、今後の論文化に向けて、さらに連携を深めていく方針である。 痛風は専門的な知識を持って適切に治療すれば、痛風発作のない状態を維持できる疾患であるが、外来治療だけで十分に治療効果がでていない患者も多いことも特徴である。個人差に応じた医療や予防に、看護、薬剤指導、栄養指導などの観点からも取り組むことで、より適切なゲノムオーダーメイドの医療・予防サービスの提供が可能になることが期待できる。特に、痛風・高尿酸血症は遺伝要因の影響が他の多因子疾患と比べても極めて高いことから、上記は十分な実現性を持つ研究であると考えられる。
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