Project/Area Number |
20H00648
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Medium-sized Section 64:Environmental conservation measure and related fields
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
馬奈木 俊介 九州大学, 工学研究院, 教授 (70372456)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 慎治 広島大学, 人間社会科学研究科(国), 教授 (00346529)
加河 茂美 九州大学, 経済学研究院, 教授 (20353534)
藤井 秀道 九州大学, 経済学研究院, 教授 (20731764)
田中 健太 武蔵大学, 経済学部, 教授 (30633474)
キーリー アレクサンダー・竜太 九州大学, 工学研究院, 准教授 (40875423)
松八重 一代 東北大学, 環境科学研究科, 教授 (50374997)
小谷 浩示 高知工科大学, 経済・マネジメント学群, 教授 (80422583)
谷川 寛樹 名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (90304188)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
|
Budget Amount *help |
¥43,420,000 (Direct Cost: ¥33,400,000、Indirect Cost: ¥10,020,000)
Fiscal Year 2024: ¥8,580,000 (Direct Cost: ¥6,600,000、Indirect Cost: ¥1,980,000)
Fiscal Year 2023: ¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2022: ¥10,010,000 (Direct Cost: ¥7,700,000、Indirect Cost: ¥2,310,000)
Fiscal Year 2021: ¥11,440,000 (Direct Cost: ¥8,800,000、Indirect Cost: ¥2,640,000)
Fiscal Year 2020: ¥6,890,000 (Direct Cost: ¥5,300,000、Indirect Cost: ¥1,590,000)
|
Keywords | 統合モデル / 新国富指標 / 行動科学 / 環境経済学 / システム工学 / ⾏動科学 / システム⼯学 / 企業評価 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、人々の価値認識の変化を明示的に考慮した統合的な持続可能性評価モデルの構築を行うことを目的としている。そのために、行動科学アプローチによる内的要因変化と社会的価値形成メカニズムの解明を行い、内的要因変化を明示的に考慮した新国富指標の構築と推計、そして外的要因の影響も考慮した新国富指標の将来シミュレーションモデルの構築を行う。最終的には構築されたモデルを用いて、シミュレーション結果に基づく政策導入の社会実験とモデルの検証・再評価を行う。これらのアプローチにより、各地域の特性に応じた形で持続可能性を高める取り組みの優先度を明らかにすることが可能となる。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、人々が持つ価値観がどのように形成され、その多様性や変化が持続可能性にどのように影響するかを考慮し、真に持続可能性を評価可能な指標を構築する。そして、持続可能性を向上させるための効果的な予算配分案を提示できる統合モデルを開発する。そのために、本研究では、行動科学のアプローチを用いて、人々の内的な要因の変化や社会的な価値形成メカニズムを明らかにし、内的な要因の変化を考慮した新国富指標の構築・推計を行うとともに、外的要因の影響も考慮した新国富指標の将来シュミレーションモデルの構築を行う。 本研究では、これまで内的要因と新国富指標の各要素との関係性を分析し、内的要因と各資本とが、どのように相互に関連しているかを明らかにしてきた。当該年度においては、地球観測衛星に由来するデータと、地上での測定値との関係を地理的加重回帰分析の手法で分析し、高い精度での大気汚染物質の予測を実現した。このほか、日本の国勢調査の空白年を埋めるため、ランダムフォレスト法を用いての機械学習を行い、グリッドレベルでの人口動態のデータセットの構築化にも成功した。さらに、スマートフォン位置情報データやモビリティデータ、地図データを複合的に活用し、人々の行動に着目した研究も進められている。 当該年度においては、研究対象地域として、福岡県久山町、福岡県直方市、大分県佐伯市、大分県別府市、岡山県赤磐市を中心に、本研究の成果のフィードバック、応用、観察を実施している。具体的には、各自治体の新国富指標の算出をリモートセンシングの活用によって行ったほか、これらのデータに基づく、様々なステークホルダーを含め連携体制の強化を進めた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
進捗状況はおおむね順調であり、新国富指標の構成要素である(1)人的資本、(2)人工資本、(3)自然資本のそれぞれの要素に関して内的要因を考慮し、知見の拡張を図るための示唆を含む多くの研究が報告された他、特に、リモートセンシング技術を活用しての指標の高度化について、当初の計画を上回る成果が得られている。 具体的には、自然資本をはじめとする新国富指標を、人工衛星などのリモートセンシング技術を用いて高解像度化し、それを諸データと融合化させることで、それぞれの空間メッシュごとでの資本の増減を可視化することが可能となった。また、この技術を応用・発展化させて、社会面・自然環境に関して定量的に捉え、各項目について企業活動のなかでリスクが大きい活動地域をホットスポットとして特定する技術・仕組みの開発にも成功し、当該成果の社会実装化に向けての目途も立っている。このほか、日本の国勢調査の空白年を埋めるため、ランダムフォレスト法を用いての機械学習を行い、グリッドレベルでの人口動態のデータセットの構築化にも成功している。 さらに自治体において、総合計画への新国富指標の採用、政策における評価、人的資本、自然資本、人工資本といった各資本の評価を継続的に実施するとともに、国内の自治体、企業との連携のもと、政策・企業行動の効果測定を、リモートセンシング技術を活用しての資本測定により行う事例化に向けての取り組みを行った。
|
Strategy for Future Research Activity |
これまで本研究では、内的要因と新国富指標の各要素との関係を調査し、内的要因が新国富指標の構成要素である各資本とどのように関連をするか分析を進めてきた。さらには、内的要因を考慮した、より望ましい持続可能性評価指標の構築のため、主観的・客観的要素を含む、様々な内的・外的要因がどの程度の影響を持つかを明らかにし、その結果を指標の改良化・開発に向けて知見として蓄積してきた。実際にこれらの研究成果は、環境面のうちの温室効果ガスにだけに留まらず、生物多様性に関しても注目をし、かつ、社会面(教育や健康)を含めての企業活動に関する総合的な持続可能性評価が可能な指標開発に結びつく等、開発・社会実装化に向けて進展をもたらしている。 今後は、経済情勢、技術水準、災害リスク、社会情勢などの外的要因の変化が内的要因に与える影響を考慮した統合モデリングの設計及び、将来推計シミュレーションを行う。本研究では、特に経済活動の中核を担っている企業活動が、経済情勢、技術水準、そして、社会情勢などの外的要因に影響を与えるため、特に企業活動と社会の持続可能性の関係も明らかとし、その与える影響についてもモデルに反映させる。 本研究の特筆すべき点として、モデルの構築に留まらず、その妥当性について、フィールド実験による検証をもとに、モデルへのフィードバックを行う点にある。具体的には、政策提案を実際の自治体やコミュニティを対象に行い、提案された施策が該当地域の持続可能性を高めるために効果的か、社会実験をもとに評価、検証を行う。研究対象地域としては、連携が進んでいる福岡県久山町のほか、岡山県赤磐市、事業会社を実施者とする浸食防止緑化工事事業の施策前後での持続可能性評価を実施する予定である。
|