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『繪事瑣言』の成立とその背景

Research Project

Project/Area Number 20H00677
Research Category

Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists

Allocation TypeSingle-year Grants
Review Section 1110:Philosophy, art, and related fields
Research Institutionつくば市教育局文化財課 (2022)
Okinawa Prefectural University of Arts (2020-2021)

Principal Investigator

KUTSUNA HIROMI  つくば市教育局文化財課, 会計年度任用職員

Project Period (FY) 2022-04-01 – 2023-03-31
Project Status Completed (Fiscal Year 2022)
Budget Amount *help
¥360,000 (Direct Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2020: ¥360,000 (Direct Cost: ¥360,000)
Keywords絵画技法材料 / 東洋絵画 / 顔料 / 清末
Outline of Research at the Start

本研究は、18世紀末の中国の絵画技法書『繪事瑣言』(かいじさげん)の成立とその背景について、文献調査を通じて明らかにしていく。
本書には、形而上的な記述が多いそれまでの中国の画論書とは異なり、西洋の影響が感じられる具体性をもって、各種の材料と画室内の用具について、その処方、特徴、用法が詳細に記述されている。著者のサク(二点之繞, 乍)朗は、現在の蘇州市呉江区出身で工筆と写意の絵画、篆刻を制作したとされる。彼の画家としての活動、活動した文化的階層や地理的環境を解明することは、本書の内容の検証につながる。その成果は、明清、江戸および明治の絵画の研究、東洋の近世の色料の研究等に貢献できると考えられる。

Outline of Final Research Achievements

本研究では、これまで日本で重要視されていなかった、中国で1799年に刊行された絵画技法材料書『繪事瑣言』の成立の背景と、著者であるサク朗(1747‐1813)について文献調査を行った。当初、2020年度の研究として申請し採択されたが、2022年度に研究が行われた。2021年に上海書画出版社より《繪事瑣言 繪事雕蟲 三万六千頃湖中画船録》が出版され、中国に渡航せず研究を進めることが可能になった。
日本には、ほぼ同時代の「皆春齋御絵具」が存在している。これらの顔料や東洋絵画の近代化の研究に、詳細に顔料の性質と技法が述べられている『繪事瑣言』が、新たな視点をもたらすと期待できる。

Academic Significance and Societal Importance of the Research Achievements

『繪事瑣言』は、画の視覚表現や精神性に関する記述が中心であった中国の画論書の歴史において、材料とその用法を主に構成された初めての著作である。1756年頃に刊行された『小山畫譜』と比較すると、約40年の時間的隔たりと社会的階層の差が反映され、近代化の兆しとその前夜の画家の手元の画材と志向を読み取ることができる。
筆者の臙脂の復元研究において、本書の記述は重要な根拠となったが、本書の文献学的な確実性等は不確かなままであった。本研究以降は、古代から続く色料が産業革命の余波に消される前夜の様相を、サク朗の視点から捉え直すことができる。同様に、他の材料や技法の研究にも、本書は寄与できると考える。

Report

(2 results)
  • 2022 Annual Research Report   Final Research Report ( PDF )

URL: 

Published: 2020-04-28   Modified: 2024-01-30  

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