Project/Area Number |
20H00683
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
1120:Literature, linguistics, and related fields
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Research Institution | Kyushu Sangyo University |
Principal Investigator |
Fukuma Kayo 九州産業大学, 美術館学芸室, 学芸員
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2021-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2020)
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Budget Amount *help |
¥480,000 (Direct Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2020: ¥480,000 (Direct Cost: ¥480,000)
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Keywords | 子ども / レーニン / 国民化 / プロパガンダ / イメージ |
Outline of Research at the Start |
本研究の概要は、ソ連期に小学校で教材として使われていたレーニンが主役の出版物の中のレーニンのイメージを通して、子どもをいかに国民として教化したかについて考察を行う研究である。これまで、文学や絵画、映画やポスターで描かれたレーニン像については研究がなされてきたが、子ども向けの出版物のレーニン像については、いまだ研究が行われていない。 本研究では、これらのレーニン像に図像分析を加え、ジェンダーやナショナリズムの社会学的視点から考察して解釈を試みる。
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Outline of Final Research Achievements |
本研究は、ソ連期における、レーニン像を通じた、こどもの国民化について考察するものである。主たる分析の対象として、ソ連時代、停滞期とされたブレジネフ期に、上質の紙に多色刷りされた、非常に大判の紙芝居のような出版物に注目した。それらの出版物にもっとも多く描かれていたのは、レーニンについてだった。子どもたちにとって、自分と同じくらいの歳のレーニンや、自分のお爺さんが直接知るレーニンのイメージは、身近に感じられたに違いない。本研究では、身近なレーニンのイメージを通じて、倫理的規範やレーニンへの敬愛、ひいては愛国心を刷り込んで、子どもが国民として陶冶されていたことを再構成した。
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Academic Significance and Societal Importance of the Research Achievements |
ブレジネフ期のソ連では、子どもを国民化し、国家体制の安定を図るために、子ども向けのレーニン像が創られていたことを初めて指摘し、そのイメージの持つメッセージについて考察を行って、ソ連期における文化戦略と国民教育の一側面を明らかにした。
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