Project/Area Number |
20H00685
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
1130:History, archaeology, museology, and related fields
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
KAKINUMA Ryosuke 早稲田大学, 高等学院, 教諭
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Project Period (FY) |
2020-04-01 –
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2020)
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Budget Amount *help |
¥480,000 (Direct Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2020: ¥480,000 (Direct Cost: ¥480,000)
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Keywords | 辺境 / 対馬 / 南島 / 五島列島 / 地域支配 / 対外交流 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、「境界」領域における国家の支配について検討することで、前近代における「国境」や「民族」のあり方を相対化して理解する視座を提供することを目的とする。そのため、外交使節の来着地における地域支配のあり方や、在唐新羅人と日本や新羅の遣唐使の関係などを検討することで、古代国家の外交権や、在留外国人および渡来系氏族の支配に顕れる古代東アジアの国家権力の限界について解明することを目指す。
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Outline of Final Research Achievements |
本研究では、古代日本の「辺境島嶼国」を比較することで古代国家の「境界」地域の支配のあり方を炙り出すことを試みた。律令制下の日本においては、壱岐、対馬、タネ(種子島、屋久島など)、値嘉(五島列島)に「嶋」という令制国に準ずる行政区画がおかれた。これらの設置や廃止の状況について検討することで、「辺境島嶼国」が対外交流上の要地に設置されたことや、その存廃には古代国家の支配体制の変質が関係していることが明らかとなった。
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Academic Significance and Societal Importance of the Research Achievements |
本研究では、これまで個別的に検討が進められてきた「境界」地域の支配について、「辺境島嶼国」という枠組みを設定することで統合的に把握することを試み、その結果、古代国家の変質と「辺境」支配の関係を指摘した点に学術的意義がある。また、「境界」領域における国家の支配に注目することで、前近代における「国境」や「民族」のあり方を相対化して理解する視座を提供した点に社会的意義がある。
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