Project/Area Number |
20H00696
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
1150:Law, political science, economics, business administration, and related fields
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
Mita Kaori 中央大学, 人文社会系URA
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Project Period (FY) |
2020-04-01 –
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2020)
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Budget Amount *help |
¥470,000 (Direct Cost: ¥470,000)
Fiscal Year 2020: ¥470,000 (Direct Cost: ¥470,000)
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Keywords | クウェート、民主化、比較政治学 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、近年のクウェート国民議会におけるポピュリズム台頭の考察から、一世代を経て成熟しつつあるセミ・デモクラシーがクウェート立憲君主制政治基盤にもたらす影響を明らかにすることを目指す。クウェートにはポピュリズムが派生する要因である社会的亀裂とリソースへの不均等なアクセスは既存していたが、近年までその台頭には至らなかった。構造的機会不均等が社会の流動性を低くしているということは明らかにされているが、本研究では特に「社会の流動性」に着目し、近年の国民議会を通した国民の政治参加の変化を政治システムと構造、そして「個人が主観的に解釈する社会像」についての両面からの分析を試みる。
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Outline of Final Research Achievements |
本研究はポピュリズム台頭の考察から、クウェートにおけるセミ・デモクラシーが政治基盤にもたらす影響を明らかにすることを目指した。ポピュリズム派生について、政治参加の変化を政治システムと構造からの検討を試みた。サバーフ家レジームが、多数存在する反対勢力の勢いをコントロールするために近年行った選挙区と投票数の改定より、逆に反対勢力同士のアライアンスを進めることとなり、その共有アジェンダとしてポピュリズムが台頭した。既存する構造的機会不均等のバランスをとる従来の国民議会という民主的な場を通して、非民主主義的なプラクティスが両方向から行われることが、政治基盤に影響を与えていることが明らかとなった。
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Academic Significance and Societal Importance of the Research Achievements |
民主主義への移行期におけるレジームでのポピュリズムに関する研究は多くなく、民主主義とポピュリズムの関係についてもいくつか先行研究があるもののその関係性は曖昧であるとされる。その中、(移行期ではないが)特にセミ・デモクラシーであるクウェートの事例を介して検討することに意義があると考える。また、今回コロナ禍により現地での調査と情報収集ができなかったため、当初の計画を変更し関連するデータの収集と経年的変化や関係性を見ることを試みた。当該地域での信頼できるデータの収集は困難であり、欠損しているものも収集方法についても課題は残るが、今後も取り組むとともに分析の方法も検討していきたいと考える。
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