小児血液悪性腫瘍疾患時の好中球減少を加味したバンコマイシンの母集団薬物動態解析
Project/Area Number |
20H01029
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
3180:Clinical pharmacy-related
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
AMANO ERINO 大分大学, 医学部, 薬剤師
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Project Period (FY) |
2020-04-01 –
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2020)
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Budget Amount *help |
¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2020: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
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Keywords | バンコマイシン / 薬物動態解析 / 小児 / 発熱性好中球減少症 / 薬物動態 |
Outline of Research at the Start |
血液悪性腫瘍(HM)時には、その治療に伴い好中球が減少することが多く、発熱性好中球減少症(FN)の発現頻度が高い。FN時には抗緑膿菌作用を有する薬剤に加え、効果不十分な場合は抗MRSA薬であるバンコマイシン(VCM)が投与される。FN時には水溶性薬物の分布容積は上昇し、腎排泄型薬剤のクリアランスが亢進することが知られている。そのため、両特徴を有するVCMの血中濃度は低値を示す傾向にある。本研究では小児HM患者のFNの有無がVCMの薬物動態にどのような影響を与えるか調査し、FNの有無を加味した母集団薬物動態モデルを構築する。
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Outline of Final Research Achievements |
発熱性好中球減少症(FN)時にはバンコマイシン(VCM)の血中濃度は低値を示す。本研究では、FNの有無がVCMの小児薬物動態に与える影響について、年齢を細分化し詳細に検討した。その結果、FN群は非FN群と比較し、VCMの体重当たりの一日投与量は高値を示した一方で、初回トラフ値およびC/Dは低値を示した。また、FN群のベイジアン推定後のクリアランス(CL)は、非FN群と比較し高値を示した。年代別に検討した結果、1-6歳の幼児期がFNの影響を特に受けることが明らかとなった。以上の結果より、小児においてもFN時にVCMのCLは亢進し、その影響は特に幼児期において顕著である可能性が示唆された。
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Academic Significance and Societal Importance of the Research Achievements |
本研究より、小児においてもFN時にVCMのCLは亢進し、血中濃度は顕著に低値を示すことが明らかとなった。また、年代別に評価することで、特に幼児期の影響が大きいことが示された。この結果より、小児FN患者にVCMを使用する際は非FN患者よりも初回からより高用量で投与する必要があることが判明した。現在は得られた血中濃度をもとに、NONMEMを用いてFNの有無を加味した母集団薬物動態モデルの構築を試みている。モンテカルロシミュレーション後にノモグラムを作成することで、将来的に小児FN患者に使用する際の至適投与量が年代別に提示でき、VCMの適正使用に貢献できることが期待される。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)