Project/Area Number |
20H01306
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 03010:Historical studies in general-related
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Research Institution | Hakodate University |
Principal Investigator |
中村 和之 函館大学, 商学部, 教授 (80342434)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関根 達人 弘前大学, 人文社会科学部, 教授 (00241505)
麓 慎一 佛教大学, 歴史学部, 教授 (30261259)
小田 寛貴 名古屋大学, 宇宙地球環境研究所, 助教 (30293690)
田村 将人 北海道大学, アイヌ・先住民研究センター, 客員研究員 (60414140)
三宅 俊彦 淑徳大学, 人文学部, 教授 (90424324)
村串 まどか 明治大学, 理工学部, 助教 (20868880)
中井 泉 東京理科大学, 理学部第一部応用化学科, 教授 (90155648)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥15,990,000 (Direct Cost: ¥12,300,000、Indirect Cost: ¥3,690,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2021: ¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2020: ¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
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Keywords | アイヌ / ガラス / 銭貨 / 成分分析 / 年代測定 / サハリン島 / 交易 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、現在では失われてしまったサハリンアイヌの伝統的な文化を復元することを目的とする。(1)北海道から移住したサハリンアイヌが、いつ独自の文化を築き、その後どのような変貌をとげたか。(2)サハリンアイヌの文化には、南部と北部とで地域的な違いがあるか。(3)サハリンアイヌの文化には、交易の影響がどのように及んでいるか。(4)サハリンアイヌの文化に、大陸と日本からの影響はどのように及んでいるかを検討する。サハリンアイヌは、文化人類学・言語学からは大陸の文化とのつながりが強いことが指摘されている。本研究は歴史文献と考古学資料を対比し、時間軸を重視して文化変容の実態を解明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、現在では失われてしまったサハリンアイヌの伝統的な文化を復元することを目的とする。(1)北海道から移住したサハリンアイヌが、いつ独自の文化を築き、その後どのような変貌をとげたか。(2)サハリンアイヌの文化には、南部と北部とで地域的な違いがあるか。(3)サハリンアイヌの文化には、交易の影響がどのように及んでいるか。(4)サハリンアイヌの文化に、大陸と日本からの影響はどのように及んでいるかを検討する。サハリンアイヌは、文化人類学・言語学からは大陸の文化とのつながりが強いことが指摘されている。本研究は歴史文献と考古学資料を対比し、時間軸を重視して文化変容の実態を解明する。 本研究は、(a)歴史学、(b)文化人類学、(c)映像学、(d)考古学、(e)成分分析、(f)年代測定、(g)出土銭貨の七つの研究分野の成果を組み合わせながら検討を進める。(h)遺跡探査も試みることとしていたが、令和3年度は前年度に引き続き、新型コロナウイルスの流行やロシアの情勢によって、海外の現地調査ができない状況が続いた。そのため、(h)遺跡探査については計画を取りやめることとした。 さらに、国内の資料の調査に基づいて研究成果を得ることに方針を変更したため、対象とする資料を考古学資料から伝世資料に広げることとした。伝世資料は年代が明確でないため、これまでは時間軸を重視する本研究計画にはふさわしくないのではないかと考えてきた。しかし現地調査ができない以上、伝世資料も調査対象に加えることとした。具体的には、アイヌの女性が身につけたタマサイ(首飾り)の調査に着手した。とくに市立函館博物館に収蔵されている、ガラス玉と銭貨が紐に通されているタマサイの調査に取り組んだ結果、成果が期待できるのではないかという見通しを得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究にとって大きな比重を占める、ロシア連邦サハリン州および沿海地方での現地調査が全くできない状態が続いた。さらに、ロシアのウクライナ侵攻により、日本とロシアの通交が途絶し、現地調査はもちろん、ロシア側の研究協力者との連絡もままならない状態となった。このままでは研究成果を得ること自体が難しいと考え、国内の博物館・資料館に収蔵されている、戦前の日本領時代(ロシアでは樺太時代と呼んでいる)に収集された資料に調査対象を変更することとした。市立函館博物館には戦前にサハリン島で収集されたコレクションがあるので、タマサイに含まれる銭貨に注目して調査を始めたところ、サハリンで収集された資料に清朝銭が使われているなど、北海道アイヌの資料とは地域的な差が認められた。これは今後の成果に結びつくのではないかと思われる。 なお、ロシアの研究協力者との連絡は維持しようとしているが、不安定になったままである。ロシアがファイアウォールを構築して外国との連絡を遮断したという情報もあり、今後については見通しが立っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
先にも述べたように、本研究は現在では失われてしまったサハリンアイヌの伝統的な文化を復元することを目的とする。その目的実現のため、本研究では歴史文献と考古学資料を対比し、時間軸を重視して文化変容の実態を解明することとしている。そのためには、現地での資料調査と成分分析、および年代測定のための試料採取が必須との認識で計画を立ててきたが、研究がはじまって2年間も海外調査ができないという状況が続くこととなった。そこで国内の資料館・博物館にある伝世資料を調査の対象に加えることにした。今後は市立函館博物館や北海道の各博物館に収蔵される、タマサイ(首飾り)の銭貨の調査を行う予定であり、蝦夷錦なども順次調査の対象に加える予定である。 また、サハリンアイヌの資料はヨーロッパ各国にもあり、とくにドイツ連邦に良好なコレクションがあることが知られているので、ドイツのアイヌコレクションについて詳細の調査を行う予定である。
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