Reexamination on Japan-Vietnam Relationship during the Asia-Pacific War Era by Multi-archival Research Method
Project/Area Number |
20H01329
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 03030:History of Asia and Africa-related
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Research Institution | Nanzan University |
Principal Investigator |
宮沢 千尋 南山大学, 人文学部, 教授 (20319289)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北澤 直宏 東洋大学, 国際観光学部, 助教 (00844630)
武内 房司 学習院大学, 文学部, 教授 (30179618)
千葉 功 学習院大学, 文学部, 教授 (50327954)
湯山 英子 北海学園大学, 開発研究所, 客員研究員 (70644748)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥9,880,000 (Direct Cost: ¥7,600,000、Indirect Cost: ¥2,280,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2020: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
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Keywords | 近代日本・ベトナム関係史 / マルチ・アーカイブズ的調査 / アジア・太平洋戦争 / ベトナム民族運動 / 「大川塾」 / 近代・日本ベトナム関係史 / マルチ・アーカイブズ的研究 |
Outline of Research at the Start |
アジア・太平洋戦争期の日本とベトナムの関係史を、当時のベトナムに駐在してべトナム人民族主義者と交流し、彼らを援助していた大南公司社員・西川寛生氏の日記を主な資料に用いて再検討する。 その際、日本、ベトナム、旧植民地宗主国フランス、日本の旧植民地で当時、東南アジアと経済的な関係が密接であった台湾などのアーカイブズに分散する日本語、ベトナム語、フランス語の植民地行政文書、外交文書、ベトナム語の新聞・雑誌・宗教パンフレットなども検討して、様々なアクターの多様な反応を掘り起こし、当時の日本・ベトナム関係史の重層的な理解を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の主たる目的である西川寛生氏の戦時期日記の解読作業は、新型コロナウイルス感染症の感染防止の観点から、オンライン研究会という形で年度内に7回行われ、1944年12月中旬までの日記を解読することができた。 新型コロナウイルス感染症の全世界的な拡大が依然として収束しなかったため、予定していたフランス、ベトナム、台湾での海外調査を実施することができなかった。しかし、湯山英子と研究協力者1名が、外務省外交史料館などで資料調査を行ったほか、研究代表者、研究分担者がそれぞれ関連資料や文献を収集することにより、西川氏の日記に記載されている人名、団体名、事件の概要や背景について理解を深めることができた。また、2023年3月12日(土)に南山大学で対面の研究会を開催した。研究代表者、分担者が日記に注釈を付すにあたっての分担を確定し、事前に用意していた注釈案をそれぞれ披露し検討を加えた。さらに2023年3月6日(土)には、オンライン研究会の形で、白石昌也早稲田大学名誉教授に「第二次大戦期の在インドシナ日本人に関して」、研究分担者である武内房司学習院大学教授に「安南人民統一革命党について」と題する研究発表をしていただいた。 研究論文・著書・学会発表としては以下の成果が発表された。宮沢千尋が日本軍がフランス領インドシナ当局を武装解除した1945年3月当時のベトナムの首相だったファム・クインの思想を「言語・文化ナショナリズム」ととらえて、彼の言論活動と西洋哲学観についての論考を発表した。武内房司は、日本の南進論の先駆者である竹越与三郎のインドシナ旅行記に現れる彼のインドシナ観についての論考を発表した。北澤直宏はベトナムのカオダイ教に関する博士論文を改稿して出版した。学会発表は、湯山英子が戦後ベトナムからの引き揚げに関する研究発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題の主たる資料である西川寛生氏の戦時期日記に関しては、2022年度中に全文の解読が完了した。2021年度の研究計画で実施する予定であった海外調査については、2022年度に武内房司がフランスとベトナムで、湯山英子と研究協力者1名が台湾で、北澤尚宏がベトナムで調査を実施することができた。これらの海外調査の成果は、刊行を予定している西川寛生氏の戦時期日記の解説や日記中に出てくる人物、団体、事件、地名などの注釈執筆の資料となった。原稿はすでに出版社に提出され、現在、学習院大学の出版助成を申請中であり、認められれば2023年度内に刊行する。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年4月に西川寛生氏の戦時期日記本文に、解説や注釈を施した原稿が完成し、現在、西川氏の日記や関係文書が遺族から寄託されている学習院大学に出版助成を申請中である。申請が認められれば、2023年度に刊行する。 今後の研究方策としては、2023年秋に科研費を使用して、この日記の内容を基にした「西川日記から見る戦時期日本・ベトナム関係の再検討」(仮)と題した国際ワークショップを南山大学で開催する予定である。フランス、ベトナム、台湾から専門研究者を招き、戦時期西川日記を題材にして、近代・日本ベトナム関係を再検討する視覚や論点として何が考えられるかを発表してもらう。白石昌也早稲田大学名誉教授をコメンテーターとして招き、研究の方向性に関して示唆をいただくとともに、日本国内のベトナム、ラオス、カンボジア、タイの専門家を招き議論に参加してもらう。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)