「市民による除細動(PAD)」の国際的な普及:制度化過程と変容
Project/Area Number |
20H01527
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 07080:Business administration-related
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
河野 英子 横浜国立大学, 大学院国際社会科学研究院, 教授 (40352736)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高石 光一 亜細亜大学, 経営学部, 教授 (00350710)
福嶋 路 東北大学, 経済学研究科, 教授 (70292191)
竹内 竜介 横浜国立大学, 大学院国際社会科学研究院, 准教授 (30607940)
大沼 雅也 横浜国立大学, 大学院国際社会科学研究院, 准教授 (30609946)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥12,610,000 (Direct Cost: ¥9,700,000、Indirect Cost: ¥2,910,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2020: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
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Keywords | 普及 / 医療 / 制度化 / AED / PAD(市民による除細動) / PAD(市民による除細動) / 国際的普及 / 経営学 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、新しい医療の制度化と国際的普及の事例分析を通じて、制度化過程とその変容を明らかにするものである。対象とするのは、自動体外除細動器(AED)を使用した一般市民による救命を意味する「市民による除細動(PAD)」である。 PADの制度化と国際的な普及プロセスについて地域間比較を行う。多様な制度や組織・集団と関係する医療産業は、その重要性・特異性に比して社会科学的な研究が相対的に少ないなか、本研究成果は制度論に関する議論への貢献が期待できる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、新しい医療である「市民による除細動(PAD)」の普及と制度化の過程を議論するものである。本年度は、アンケート調査の実施・分析、特定地域の事例分析を行った。 アンケート調査については、救急医療研究から導出された研究課題に対して、社会心理学的な視点を適用した分析を行った。具体的には、「バイスタンダー効果」と「共感性尺度」という2つの視点に基づく分析を行ったことで、心停止状況に直面した市民の救助意欲について検討を加えることができた。その結果を、後者については心理系の国際学会に発表申請を行い、前者については海外の医療系学術誌に投稿した。学会報告については既に採択され、投稿論文では審査が進行中である。 特定地域の事例分析については、AEDを早期に温泉地域の全宿泊施設に設置した伊香保温泉を対象をした分析を行った。その結果、宿泊施設におけるAEDの必要性に対する認識の高さ、温泉組合理事長および事務局のリーダーシップ、AEDの特性に則した予算体制整備の必要性が明らかとなった。温泉地域では、日本特有の入浴文化や地方立地に起因する医療資源不足の問題を背景に、AEDの設置が求められる。宿泊施設では、心停止事案の目撃者が一定数存在し、訓練経験のある宿泊施設の従業員が常時待機する可能性が高い一方で、宿泊施設の特性に起因する情報共有の難しさという問題も示唆され、普及の障壁を継続的に克服することが容易ではないことも明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
上記の理由としては、アンケート調査、事例分析を行い、その一部をワーキングペーパーとしてまとめ、学会発表への発表申請と採択、論文投稿までは進んだものの、当初計画してきた成果の公表までには至っていない点があげられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、第一に、分析してきた成果の公表を進める。具体的には、採択された国際学会での発表、および投稿済みの海外雑誌での公表を進め、そこでのやりとりを通じて、成果の質を高めていく。 第二に、これまで蓄積してきた分析内容の整理と不足点の追加調査を通じて、PAD先進地域と後進地域の比較検討、PADも制度化・普及過程における障壁がどのように克服されてきたのか、どのような要因が影響しているのか、そのメカニズムについて理論的な検討を加えていく。
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Report
(3 results)
Research Products
(8 results)