Project/Area Number |
20H01633
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09010:Education-related
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
山崎 準二 学習院大学, 文学部, 教授 (50144051)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高谷 哲也 鹿児島大学, 法文教育学域教育学系, 准教授 (00464595)
三品 陽平 愛知県立芸術大学, 音楽学部, 准教授 (00710849)
濱田 博文 筑波大学, 人間系, 教授 (20212152)
田中 里佳 三重大学, 教育学部, 教授 (20839146)
高野 和子 明治大学, 文学部, 専任教授 (30287883)
高野 貴大 茨城大学, 教育学部, 助教 (40881529)
朝倉 雅史 筑波大学, 人間系, 助教 (50758117)
山内 絵美理 東海大学, 農学部, 特任助教 (60909026)
栗原 崚 学習院大学, 文学部, 助教 (60965606)
村井 大介 静岡大学, 教育学部, 講師 (80779645)
長谷川 哲也 岐阜大学, 教育学部, 准教授 (90631854)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥17,550,000 (Direct Cost: ¥13,500,000、Indirect Cost: ¥4,050,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2021: ¥5,980,000 (Direct Cost: ¥4,600,000、Indirect Cost: ¥1,380,000)
Fiscal Year 2020: ¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
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Keywords | 省察 / 教員養成 / 教師 / 教師教育 / 養成教育 |
Outline of Research at the Start |
「省察」それ自体が問い直されぬまま教師の専門性の中核を成す絶対的理念と化す傾向にある今日、大学における教員養成の「省察」言説を相対化し、不可視化された問題状況を明らかにするために、現代日本の大学における教員養成を方向づけてきた「省察」言説とはいかなるものか、またこの「省察」言説が隆盛する中で展開される学びの実態と問題はいかなるものか、という本研究の核心をなす2つの学術的「問い」に応えるため、教師教育における言説の特徴の解明、「省察」が重視される学術的・実践的原理の解明、「省察」による学びの実態把握、そして教員養成における「省察」のあり方の検討、という4つの研究課題に取り組むものである。
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Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、コロナ禍によって1年延期せざるを得なかった海外訪問調査も実施できることになり、国内の教職大学院における「省察」活動の取組とそれを担っている大学教員たちへの聞き取り調査とを、同時並行して行うことになった。海外訪問調査については、2021年度活動として報告しているので、国内教職大学院調査活動を中心に以下報告する。 教職大学院に対する調査は、2大学に所属する7名の教員を対象として、各1名の対象者につき3名の本科研共同研究者で半構造化インタビューを実施した。教職大学院において取り組まれている「省察」を重視した教員養成の実態を、実践レベルで調査・分析していくことを行った。教職大学院担当教員からの聞き取り調査からは、大学教員による「省察」概念の受容・再構築と、「省察」活動に関する実施形態やその成果評価といった点でのシステム下での「強いられ」感を伴った「省察」活動の実態とを、それぞれ捉えることができた。 聞き取り調査を通して見出された分析視点としては、①各教員の専門分野で重視されていることと「省察」の関係、②「省察」概念を扱う際に感じられている不安、③「省察」の実現方法と感じられている課題や困難、④「省察」がもたらす負担や危険性、といった点である。これらの分析視点を柱に、聞き取り調査結果を整理し、2022年度日本教師教育学会第32回研究大会ラウンドテーブルにて、「教師教育に携わる大学教員の実践と『省察』概念~『省察』概念は実践に何をもたらしているか~」というテーマで報告し、参加者とともに議論を交わすことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本科研活動は、理論分析グループ、実践分析グループ、そして海外分析グループによって、それぞれの研究方法から取り組まれてきた。すなわち、その第1の方法は、2000年代以降の国内先行研究を整理し、教師の学びに関する概念が学術的にどのように展開し、教員養成の実践を支える原理として機能してきたのかを明らかにすること、第2の方法は、教師教育の「省察」に関する国内での学術的・実践的な研究動向を分析すること、そして第3の方法は、国内の研究動向を相対化するために、英国・米国の研究動向を検討することであった。 特に第2及び第3の研究活動は、コロナ禍によって訪問調査等の実施において困難を伴ったが、実施年度の1年延期が認められるなどの措置によって、研究活動の総まとめを行う最終年度を迎えるまでに実施できた。
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Strategy for Future Research Activity |
国内調査に関しては、教職大学院における教師教育の担い手である大学教員に対する聞き取り調査を踏まえ、最終年度である2023年度に、教師教育の受け手である教職大学院で学んでいる院生を対象とした質問紙調査を計画している。「省察」活動の実態とその効果・影響内容といった点を質問紙調査によって把握するは調査設計上の難しさを伴っているが、そのことによって「省察」活動がもたらす実態がよりトータルに把握できると考えている。 本科研活動の最終的な報告としては、4年間取り組んできた、理論分析グループ、実践分析グループ、そして海外分析グループの研究活動の成果をまとめ、2023年度内に最終的な研究成果報告書を刊行する予定である。
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