スパースモデリングによるALMA望遠鏡イメージングの新展開
Project/Area Number |
20H01951
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 16010:Astronomy-related
|
Research Institution | The Institute of Statistical Mathematics |
Principal Investigator |
池田 思朗 統計数理研究所, 数理・推論研究系, 教授 (30336101)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 陽一 名古屋大学, 理学研究科, 准教授 (10608764)
本間 希樹 国立天文台, 水沢VLBI観測所, 教授 (20332166)
小杉 城治 国立天文台, アルマプロジェクト, 准教授 (90290882)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2021)
|
Budget Amount *help |
¥17,550,000 (Direct Cost: ¥13,500,000、Indirect Cost: ¥4,050,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2021: ¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2020: ¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
|
Keywords | 電波天文学 / ALMA望遠鏡 / スパースモデリング / 電波干渉計 / イメージング |
Outline of Research at the Start |
2019年4月に発表された超巨大ブラックホールシャドウの撮像では,本研究の代表者も参加して構築したスパースモデリングによる新たな電波干渉計イメージング法が用いられた.本研究ではこの方法を高性能な電波干渉計であるALMAのデータに適用するため,ソフトウェア環境を構築する.そのため,アルゴリズムの高速化し,偏波イメージング多バンドの同時イメージングを実装する.本研究ではデータ科学者と天文学者が共同で新たな手法を開発する.代表者がアルゴリズムを提案,実装し,分担者が天文データを用いた検証を行う.最終的にALMA のイメージングの標準であるCASAと親和性の高いソフトウェアとして配布する.
|
Outline of Annual Research Achievements |
2019年4月,EHTがM87楕円銀河の中心にある超巨大ブラックホールシャドウの画像を撮像した.EHTは地球規模の巨大な電波干渉計であり,この撮像のために,我々はスパースモデリングを用いた新たなイメージング法を開発し,ソフトウェアを作った.スパースモデリングによる方法は新たな電波干渉計イメージング法として期待されている.本研究ではスパースモデリングに基づくイメージング法を,チリにある高性能電波干渉計であるALMA望遠鏡でも使うため,専用のソフトウェア環境を構築することを目的とする. EHTのソフトウェアは基線が少なく,雑音の大きい場合に特化している.ALMAは基線が多いため,EHTに比べて計算量が多い,一方,EHTに比べて雑音が少ないため,シンプルなアルゴリズムでも十分に良い画像が得られる.このため,ALMAのイメージングのために新たなソフトウェアを構築する.初年度は,イメージングの最も大事な撮像アルゴリズムの部分を作成し,この高速化を行った.池田が作成したソフトウェアを外部の会社に依頼して高速化を可能性を検討した.C++によってコードを実装し直し,複数コアによる並列化を実装することによって昨年のプロトタイプに比べて10倍以上の高速化ができた. 新たな方法を広く普及させるには,既存方法と同等以上の結果が得られることが求められる.電波干渉計のイメージング法では,これまで長年用いられてきたのはCLEAN法である.CLEAN法と比較して,本手法の結果が良いのか,天文学の議論に耐える質の高い画像を提供できているのか,という点を天文学者との共同研究を通じて検証する必要がある.実際の観測データに対して本手法を用いて解析した結果が論文として発表され,天文学会でも発表を行なった.また,他にも共同研究を通じた論文の執筆を行なっている.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は,イメージングの最も大事な撮像アルゴリズムの部分を作成とこの高速化が大きな目標であった.この目標は十分に達成できた.本手法の検証についても天文学者との共同研究を通じて進んでいる.また,self-calibration についてもアルゴリズムは検討できており,プロトタイプのソフトウェアは作成済みである.以上より,おおむねね順調に進展していると考える
|
Strategy for Future Research Activity |
新たな方法を普及させるには既存方法と同等以上の結果が得られることが求められる.電波干渉計のイメージング法では,これまで長年用いられてきたCLEAN法と同等以上となる必要がある.昨年度は提案するスパースモデリングのソフトウェアを高速化した.また,天文学者との共闘研究を通じて結果の検証も行なっている. CLEAN 法では位相雑音に対してself-calibrationと呼ばれる方法を用いるのが一般的である.提案手法では,現在,既存のself-calibration を用いているが,提案手法に合った新たなself-calibration の方法を考えることは重要である.昨年度,Self-calibration のあらたな方法を開発し,プロトタイプのソフトウェアを作ったので,2年目の本年度はこれを実際に使える形にし,その高速化を行う.さらにALMA データを用いた手法の検証を行い,問題点を洗い出す. また,来年度に向けて,偏波のイメージング法への拡張を行う.
|
Report
(1 results)
Research Products
(5 results)