超高耐久性メカニカルファスナーによる鋼構造物メンテナンスの改善
Project/Area Number |
20H02235
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 22020:Structure engineering and earthquake engineering-related
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Research Institution | Osaka Metropolitan University (2022-2023) Osaka City University (2020-2021) |
Principal Investigator |
山口 隆司 大阪公立大学, 大学院工学研究科, 教授 (50283643)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 厳 大阪公立大学, 大学院工学研究科, 助教 (10869530)
森山 仁志 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(理工学域), 講師 (50825495)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥17,550,000 (Direct Cost: ¥13,500,000、Indirect Cost: ¥4,050,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,940,000 (Direct Cost: ¥3,800,000、Indirect Cost: ¥1,140,000)
Fiscal Year 2021: ¥6,760,000 (Direct Cost: ¥5,200,000、Indirect Cost: ¥1,560,000)
Fiscal Year 2020: ¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
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Keywords | 構造工学・地震工学 / 高力ボルト / 摩擦接合継手 / メカニカルファスナー / 皿型形状 / 高耐久 / 高力ボルト,摩擦接合継手,メカニカルファスナー / 砂時計型 |
Outline of Research at the Start |
本研究は,高力六角ボルトと同等の耐荷性・疲労耐久性を有し,耐腐食性を格段に改善できる突出部が一切ない砂時計型形状のメカニカルファスナーを新たに開発し,それを部材接合部に実装して,鋼構造物のメンテンナンス負荷を大幅に削減するものである.二つのねじを組み合わせて,高強度,高耐久なファスナーとするための機構の検討,材料の選定,鋼構造物への適用性の検討をFEM解析と実験により,高力ボルト接合を専門とする研究者および金属材料の研究者,ボルトメーカーの技術者によって協働して行う.さらに,最終年度にはそれらの成果を踏まえた,実鋼構造物へ実装するための設計・施工ガイドラインも策定する.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,突出部が一切ない砂時計型形状のメカニカルファスナー(Double Spindle Fastener: DSF)を開発することであり,①皿型形状を両端に有する超高耐久性メカニカルファスナーの開発,②試作ファスナーおよびそれによる摩擦接合継手の耐荷性・防食性・疲労耐久性の評価,③実構造への適用,の3つの課題を解決することで達成される. DSFはファスナー内部にねじ部を有しており,呼び径よりも有効径が小さい構造となる.そのため,F8T-M22高力ボルトと同等の締結性能を確保するために引張強度が1400 MPaを超える高強度材料が必要となる.一方,高強度材料の使用には遅れ破壊の防止が必要条件であり,ねじ部の応力集中の改善が要求される.2021年度までは,ねじ部を詳細にモデル化した数値解析およびDSF用ナットの締付解析より,ねじ開き角度は55 ~ 60°,皿型形状のナットのねじ部を貫通式と決定し,DSFを高力皿型ボルトと高力皿型ナットで構成することとした. 2022年度は,試作DSFを製作して,DSF自体の引張試験・締付試験・DSFを用いた摩擦接合継手の引張数値解析を実施した.引張試験の結果,DSFは皿型ボルト側で破断し,その最大荷重は既存の高力六角ボルト用の設計耐力で安全側に評価できることがわかった.締付試験では,導入トルク-導入軸力-回転角-頭部ひずみの関係を整理し,トルク係数よりも回転係数(軸力―回転角関係の傾き)が安定していることを確認し,DSFの軸力管理法には回転角法を採用することととした.DSFを用いた2面摩擦接合継手の引張数値解析では,DSFの締付軸力がざぐり面から伝達されることで接合面の接触圧分布が拡大し,継手端部の離間が抑制された.また,DSF継手のすべり係数は,高力六角ボルト・皿型高力ボルト継手のそれよりも低下しないことを確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2022年度までの3年間を通して,DSFの内部機構・ねじ形状・締付方法の検討を行ってきた.ファスナーとしてのDSFの構造・位置づけおよび,導入軸力管理のためのトルク-軸力-回転角のの関係は明確化できつつあるが,締付方法の確立までには至っていない.そのため,長期供用で課題となる腐食性能や,リラクセーション特性,遅れ破壊耐性の検討が実施できていない.これらのことを踏まえ,自己点検では「少し遅れている」と評価する.2023年度中には,DSFを用いた摩擦接合継手の腐食促進試験・長期リラクセーション試験を実施して,長期耐久性の評価を行いつつ,DSFの実構造への適用に向けた検討を数値解析で実施する.
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は,DSFおよびそれによる摩擦接合継手の耐荷性・防食性・疲労耐久性の検討を行うため,DSF自体のせん断試験・疲労試験を実施し,試作DSFの性能を確認する.また,DSF摩擦接合継手の屋外暴露試験,長期リラクセーション試験を実施する.せん断試験では,せん断強度・破断伸び・破壊モードを確認する.疲労試験では,締付け長さの異なる場合を対象に,応力範囲と応力比をパラメータにして実施する.締付け長さが短い場合,不完全ねじ部が皿型頭部に近く応力が集中しやすいため,き裂発生位置や疲労寿命に変化がないかを確認する.暴露試験・長期リラクセーション試験では,長期供用で課題となる継手の腐食性能および遅れ破壊耐性や,高力摩擦接合継手で重要となるボルト軸力のリラクセーション特性を検討する. DSFの実構造への適用に向けて,開断面部材の当て板補修に用いるボルトとしての適用性を検討するため,桁端腐食を有する鋼I桁を対象に数値解析を実施する.
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Report
(3 results)
Research Products
(9 results)