A study on changes in physiological response of workers during the skill transfer process
Project/Area Number |
20H02392
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 25010:Social systems engineering-related
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
志田 敬介 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 准教授 (40365028)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥17,810,000 (Direct Cost: ¥13,700,000、Indirect Cost: ¥4,110,000)
Fiscal Year 2022: ¥5,070,000 (Direct Cost: ¥3,900,000、Indirect Cost: ¥1,170,000)
Fiscal Year 2021: ¥5,070,000 (Direct Cost: ¥3,900,000、Indirect Cost: ¥1,170,000)
Fiscal Year 2020: ¥7,670,000 (Direct Cost: ¥5,900,000、Indirect Cost: ¥1,770,000)
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Keywords | 技能伝承 / 暗黙的知識 / 作業習熟 / 脳活性 / 認知科学 |
Outline of Research at the Start |
これまでの技能評価は、作業の繰り返しに伴う作業時間の低減に加え、作業中の運動技能の評価(以降、外的評価と呼ぶ)が主であった。 ところが、実際の作業現場では、この外的評価のみでは不十分であることが多い。例えば、外的評価に合格しても、判断技能を十分に習得できていないために、実際に作業を開始すると、突発的な不良の発生や作業品質の不安定さが発生する。また、実際の製品の状況に応じた現場合わせや調整などの柔軟な摺合せ作業への対応も困難であったりする。 この様に、作業を行いながらその状況を的確に判断する力、すなわち、判断技能の習得が重要で、作業者の生理的な反応特性から解析する。
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Outline of Annual Research Achievements |
作業者の技能や習熟程度を評価する指標として、一般に、同一作業の繰り返しに伴い減少する作業時間が用いられる。しかし、実際の製造現場では、作業時間が十分に低減したのちも、作業ミスによって製品品質に影響を及ぼす問題が生じており、習熟程度を評価する方法として作業時間を用いるだけでは、十分であるとは言えない。実際に、実態調査を行うと、作業者の作業ミスなどによる品質問題を抱える企業は少なくない。 そこで、従来までの作業時間の評価に加え、作業者の前頭葉の活性状態の変化から習熟程度を評価する方法について検討した。具体的には、心理学実験で用いられる鏡映描写作業を課題作業とし、前頭葉の活性についてf-NIRSを用いて評価した。実験は、利き手で課題作業を訓練し、利き手で習熟程度を評価する被験者群(利き手群)と非利き手で訓練し、利き手で評価する被験者群(非利き手群)に被験者を分けて行った。その結果、両群とも作業の繰り返しに伴い、作業時間と作業品質の向上に加え、前頭葉の活性が減少する結果が得られた。特に非利き手群では、訓練と評価で、使用する手が異なる条件であるが、評価時の前頭前野の活性は低下することが認められた。その要因として、学習の転移によって課題作業に関する暗黙的な知識が獲得されたことを示し、前頭葉の活性状態を評価することで、従来評価することが困難であった暗黙的な知識の習熟程度についても評価できる可能性が示された。 また、作業者の動作画像を解析し、作業者の技能の変化や熟練作業者との差異を評価するシステムの開発に着手し、この開発もおおむね順調に進展している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
技能の習得に伴う暗黙的な知識の習得に関して、学習の転移を用いて脳活性の変化を評価することが示せたことが、本年度の大きな成果のひとつである。この実験は、実験室での基礎実験で、この評価方法を用いて、次年度以降、実務に携わる作業者の技能の解明に向け、更なる検討を行う予定である。 その際に、実際の作業では、実験室実験の課題作業の様な理想的な実験環境を整えることが困難な場合が多くなるので、実験環境の設定について留意し、実験を推進する必要がある。 また、作業者の動作画像を解析し、作業者の技能の変化や熟練作業者との差異を評価するシステムの開発にも着手しており、この開発もおおむね順調に進展していることから来年度以降も継続する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
実務に携わる作業者の技能の解明に向け、本年度明らかにした実験室実験での知見をもとに、実際の作業を対象に実験を行い、脳活性の観点から技能伝承について検討を進める予定である。基本的には、実際の工場において計測するが、工場では様々な要素がノイズとなり計測が困難場合も考えられる。その場合は、実験室において実際の作業現場と同等の環境を構築し、検証を進める予定である。 また、非熟練作業者が作業に習熟する過程において指導、訓練を受けるが、その訓練方法が習熟結果に影響を及ぼすと推察している。そこで、訓練方法の相違が訓練結果に及ぼす影響について評価するとともに、その過程で生じる脳活性の変化について解析を進める予定である。 さらに、本年度着手した動画像解析を用いた作業動作の解析についても推進する予定である。この評価システムを用いることで、作業者の技能の変化や熟練作業者との差異を定量的に評価することが可能になると考えている。現在、実際の作業現場にカメラを据え付け、評価システムの開発と動作の解析を行っており、次年度以降、さらに開発を加速する予定ある。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)