Development of ultrafine-grained high entropy alloys through chain reaction of grain boundary precipitation
Project/Area Number |
20H02464
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 26040:Structural materials and functional materials-related
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
安田 弘行 大阪大学, 工学研究科, 教授 (60294021)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
趙 研 大阪大学, 工学研究科, 准教授 (00633661)
永瀬 丈嗣 兵庫県立大学, 工学研究科, 教授 (50362661)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥17,420,000 (Direct Cost: ¥13,400,000、Indirect Cost: ¥4,020,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2021: ¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2020: ¥8,970,000 (Direct Cost: ¥6,900,000、Indirect Cost: ¥2,070,000)
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Keywords | 構造・機能材料 / 社会基盤構造材料 / ハイエントロピー合金 / 転位 / 格子欠陥 |
Outline of Research at the Start |
2種類以上の相が析出するAlxCoCrFeNiMn等のハイエントロピー合金(HEA)を対象とし、粒界での連鎖反応的析出を利用した超微細粒材創成のため、以下の研究項目を遂行する。 (a) 粒界からの連鎖反応的高速析出挙動の解明 (b) 粒界からの連鎖反応的析出を利用した結晶粒の更なる微細化 (c) J-PARC中性子その場回折実験による超微細粒HEAの変形挙動の解明 さらに以上の知見に基づき、優れた強度-延性バランスを有するHEAを創成することを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
AlxCoCr1+yFeMnNi1-yハイエントロピー合金を適切な温度で熱処理すると、粒界を核生成サイトとしてNiAl相とシグマ相の2相が析出する。とりわけ、室温で冷間圧延したのち、800~1000℃で再結晶熱処理を施すと、粒界ならびに変形中に導入されたせん断帯から上記2相が高速で析出して、平均粒径が0.5μm程度の超微細粒組織が形成される。令和2年度は、ハイエントロピー合金における上記2相の連鎖反応的高速析出挙動を解明した。具体的には、溶体化した試料を様々な温度で熱処理を施し、各相の等温変態曲線を作成することで、析出挙動を評価した。その結果、ノーズ温度付近(900℃付近)では、2相は同程度の析出速度であることが確認された。ノーズ温度付近では、10秒以下の時間で析出が開始することから、高速析出した析出物が粒界をピン止めすることで、平均粒径が1μm以下の超微細粒が形成されることがわかった。とりわけ800℃では、両相あわせて40%程度の析出物が粒界をピン止めしていることが確認された。なお、各相の化学組成をEDSで評価したところ、NiAl相はNi, Al-rich、シグマ相はCr-richであることが確認されている。一方、1000℃では、析出物の体積率は20%程度であり、これに伴い、平均粒径も増加した。また、700℃以下の低温側では、シグマ相、NiAl相の順に連鎖反応的に析出していることが確認された。こうして連鎖反応的に析出した場合、2相は隣接して存在している様子が観察され、組成によっては、シグマ相の内部からNiAl相が析出しているケースも観察された。その原因は、シグマ相に必要ないNiとAlが吐き出されることで、シグマ相周辺あるいは内部からのNiAl相の形成が促進されたためと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、AlxCoCrFeMnNi合金について、NiAl相とシグマ相の連鎖反応的析出の挙動を解明するとともに、それを利用して、超微細粒化に成功している。具体的には、析出物のサイズ、分布等を評価するとともに、両析出物のTTT線図を完成させている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、化学組成やプロセス条件を最適化することで、結晶粒の更なる微細化を達成するとともに、得られた合金の変形挙動を解明する。最終的には、析出物を2種類有するハイエントロピー合金で、高レベルの強度-延性バランスを実現する。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)