Mechanism and structural elucidation of an extractant for minor actinide partitioning
Project/Area Number |
20H02672
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 31010:Nuclear engineering-related
|
Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
宮崎 康典 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 高速炉・新型炉研究開発部門 燃料サイクル設計部, 研究職 (10812852)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
穂坂 綱一 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 高崎量子応用研究所 量子機能創製研究センター, 主幹研究員 (00419855)
足立 純一 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 講師 (10322629)
下條 竜夫 兵庫県立大学, 理学研究科, 准教授 (20290900)
星野 正光 上智大学, 理工学部, 教授 (40392112)
村松 悟 広島大学, 先進理工系科学研究科(理), 助教 (40837796)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥17,550,000 (Direct Cost: ¥13,500,000、Indirect Cost: ¥4,050,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2021: ¥7,540,000 (Direct Cost: ¥5,800,000、Indirect Cost: ¥1,740,000)
Fiscal Year 2020: ¥5,070,000 (Direct Cost: ¥3,900,000、Indirect Cost: ¥1,170,000)
|
Keywords | マイナーアクチノイド / NTAアミド / 放射線分解 / 分子分光 / GRRM / 光電子分光実験 / HONTA |
Outline of Research at the Start |
原子力機構では、地層処分する放射性廃棄物の発熱及び有害度の支配因子であるマイナーアクチノイドを分離回収するHONTA抽出剤を開発し、フローシート構築に向けた性能評価試験を行っている。一方で、耐放射線性が課題となっており、安全面の観点から、放射線分解機構の解明が不可欠となっている。本研究では、放射線分解の初期反応で生成するラジカルカチオンから分解物に至るまでの中間反応に注目し、放射光と難揮発性試料測定用光電子―光イオンコインシデンスを組み合わせた実験的な反応経路と、量子化学計算で予想される反応経路との比較評価を行い、抽出剤の放射線分解機構を明らかにする。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はHONTAの放射線分解に着目し、工学規模の移行時に求められる分解物混入等の安全性評価に寄与する。垂直イオン化エネルギー(VIE; Vertical Ionization Energy)や光分解物等を測定し、初期反応で生成するラジカルカチオンの電子構造を明らかにするとともに、量子化学計算によって、主要な分解機構を解明することを目的とする。 R4年度は、①金板塗布、②加熱気化、③レーザー脱離による真空導入の妥当性について、真空紫外(VUV; Vacuum UltraViolet)光照射で得られる各種スペクトルから評価した。金板塗布は、ピラニア溶液による金板の洗浄後、HONTAを塗布することで、残留有機物等を排除した(ただし、HONTA合成時の不純物は除去していない)。加熱気化では、HRNTA(R=Methyl, Octyl)を用いた熱的特性やVIEを比較した。約110℃に加熱したHMNTAの光電子スペクトルにR3年度再現性を確認するとともに、VIEを7.8 eVに決定した。その一方で、同温度で加熱したHONTAの光電子スペクトルではCO2の混在が認められた。信号の立ち上がりからVIEを8.1 eVと算出したものの、熱分解抑制は困難であることを示唆した。レーザー脱離では、メッシュを組み込んだ改良機器によりバックグランドの信号低減を確認した。質量分析ではHONTAの単一ピークを検出し、不要イオンの除去に成功した。 理論計算では、分子動力学シミュレーションにより金板塗布HONTAの凝集構造をモデリングした。また、GRRMの反応経路探索から、気相HMNTAの安定なコンフォメーションを選定するとともに、VIEを推算した。加熱温度でのボルツマン分布を考慮した計算スペクトルは実験光電子スペクトルと良く一致し、バンドの帰属によって、電子基底状態にあるHMNTAの電子構造を明らかにした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
所属機関等における新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止措置により、(a)レーザー脱離と(b)光電子-光イオン同時測定の装置稼働に遅れが発生している。前者はR2年度に予定していた改良機器を用いた真空導入の実証実験、後者はR3年度に予定していたイオン検出条件の最適化が実施できておらず、全体的な研究計画が1年程度、後ろ倒しになっている。
|
Strategy for Future Research Activity |
これまでの実績から、HONTAの真空導入には、熱分解等が抑制可能なレーザー脱離を選定した。R5年度は、既存装置に取付可能な小型真空チャンバーを製作する。また、VUV光強度や加熱温度に対するHONTAの分解生成を定量するための飛行時間型質量分析装置を取り付け、ガスを用いて、イオンの検出条件等を最適化する。 金板塗布と加熱気化のそれぞれで真空導入したHONTAの実験光電子スペクトル(VUV, 軟X線)の形状とVIEの差異を、金との相互作用(e.g. 表面とバルク)をもとに説明する。動力学計算と量子化学計算による相補的な扱いによって、金との接触界面がHONTAの電子構造に及ぼす影響を明らかにする。 放射線分解初期反応の模擬として、VUV光照射で生成する分解物質量と電子の運動量を測定する光電子-光イオン同時測定(PEPICO; Photoelectron Photoion coindidence)の装置調整を継続する。パルスセレクターとの組み合わせを再調整し、ガス等を用いて、イオンの検出条件等を最適化する。
|
Report
(3 results)
Research Products
(2 results)