Mechanism of charge recombination in TiO2 photocatalysts studied by multi-functional transient absorption technique
Project/Area Number |
20H02699
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 32010:Fundamental physical chemistry-related
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
加藤 隆二 日本大学, 工学部, 教授 (60204509)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
四方 潤一 日本大学, 工学部, 教授 (50302237)
関 和彦 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 上級主任研究員 (60344115)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥17,680,000 (Direct Cost: ¥13,600,000、Indirect Cost: ¥4,080,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2021: ¥5,590,000 (Direct Cost: ¥4,300,000、Indirect Cost: ¥1,290,000)
Fiscal Year 2020: ¥6,110,000 (Direct Cost: ¥4,700,000、Indirect Cost: ¥1,410,000)
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Keywords | 酸化チタン / 過渡吸収 / 電荷再結合 / テラヘルツ / 光触媒 / 過渡吸収分光 / 非接触光伝導計測 |
Outline of Research at the Start |
太陽光を直接エネルギーに変換する技術は人類の持続的発展のために欠かすことのできない技術である。最も有望な材料である固体光触媒では、光によって電荷(正孔と電子)が生成され、これらが適切に酸化・還元反応を起こすことでエネルギー生産を実現している。残念ながらまだ効率は十分ではなく、反応機構の解明が課題となっている。 本研究は代表的な光触媒材料である酸化チタンの電荷再結合反応について、新たに開発する多波長過渡吸収分光法とダブルパルス脱トラップ過渡吸収法によって徹底的に解析することで実用光触媒材料における反応物理化学を確立する。これは光エネルギー変換技術の実現に向けた大きな一歩となる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は下記の①から④について検討を行った。 ①「電荷再結合反応に対する吸着酸素の効果」昨年度見出した吸着酸素の効果について詳細な計測を行い、表面電荷の影響を考慮したモデルの構築を行った。このモデルの視点はこれまで多くの矛盾した研究結果が報告されていた状況を統一的に扱うことができる糸口になると考えている。詳細を論文にまとめ、現在J.Phys.Chem.Cに投稿中である。 ②「マイクロ波過渡吸収装置の改良」①で述べたように電荷再結合反応が吸着酸素に大きく影響を受けることを可視域の過渡吸収測定から見出した。この現象をより深く理解するためにマイクロ波領域での過渡吸収測定が必要と考え、これまで用いていたマイクロ波共振器を改良し、真空も含め、各種ガス雰囲気を制御できる測定チャンバーを制作した。これを用いて酸素効果について検討を進めている。 ③「テラヘルツ領域の計測」昨年度構築した光学系をもとに時間分解計測について検討を始めた。思っていたよりもテラヘルツ検出器からの信号が微弱であったが、これまで開発してきた信号検出系、計測プログラムを改良して大きな信号強度を持つInPについて過渡吸収の計測に成功した。今後は感度の向上を目指して改良を進めていく。 ④「発光計測」昨年度から過渡吸収と相補的な情報を得ることができる発光測定も併せて行っている。発光スペクトルと収率については系統的にまとめてJ.Phys.Chem.Cに論文発表を行った。またアメリカ化学会で1日に1報だけ選ばれる注目論文(Editors'Choice)に採択された。発光計測については時間分解計測を進めており、過渡吸収と時間領域を合わせて比べることができる系統的な計測を進めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
酸化チタンの電荷再結合反応については、これまで多くの研究グループが様々な条件での計測結果を報告してきた。これらの報告は必ずしも一致しておらず、系統的に説明できない状況であった。これまでの本プロジェクトでも研究で、吸着酸素が大きな影響を与えることを見出した。そして、この現象を説明するために新しいモデルとして、残留電荷の表面トラップ状態の影響を考慮したモデルを提案した。このことは試料の取り扱い方によって実験結果が異なってくることを示唆しており、これまで報告されてきた、お互いに矛盾している結果を理解する重要なコンセプトであると考えている。またさらにこのモデルはこれまでの単純なトラップ-脱トラップ現象モデルで説明できなかった多くの現象を説明できている。これからは表面電荷の影響をより定量的に評価しつつ、系統的な計測を進めていく。 酸化チタンの発光現象は過渡吸収と相補的な情報を与えるため、重要であることは理解していたが、これまでの報告では非常に微弱な発光であるとされており、特に注目してはいなかった。ところが過渡吸収計測中に意外と簡単に計測できることがわかった。これはもちろん今回開発した過渡吸収分光計の感度が高いためであり、これを利用して発光についても併せて議論できるようになった。同じ条件で過渡吸収と発光を比較して議論した研究はなく、新たな情報が得られると期待している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は下記の①②について検討を進めていく計画である。 ①「吸着酸素の効果について」これまで可視領域の過渡吸収分光法によって電荷再結合反応が酸化チタン粒子表面に酸素が吸着することで大きく変化することを見出した。この重要な現象をより深く理解するために、マイクロ波・テラヘルツ領域の過渡吸収、時間分解発光計測を行う。これらの結果をもとにより精密な理論モデルを構築する。また試料中に存在する残留電荷の量が重要であると考えており、その量の評価に基底状態におけるテラヘルツ吸収分光を用いる計画である。 ②「過渡吸収と発光の比較」これまで酸化チタンの過渡吸収、発光分光については多くの報告がある。しかしながらこの二つの計測を同じ試料で同じ励起条件で詳細に比較した例はなく、質の高い相補的な情報が得られていなかった。そこで様々な試料について系統的な計測を行う。そのためには粉状試料において十分に高い精度での過渡吸収計測が必要となるので、光学系の改良を進めて質の高い計測を実現したい。
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Report
(3 results)
Research Products
(13 results)
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[Journal Article] Predicting Solar Cell Performance from Terahertz and Microwave Spectroscopy2022
Author(s)
H. Hempel, T. J. Savenjie, M. Stolterfoht, J. Neu, M. Failla, V. C. Paingad, P. Kuzel, E. J. Heilweil, J. A. Spies, M. Schleuning, J. Zhao, D. Friedrich, K. Schwarzburg, L. D.A. Siebbeles, P. Dorflinger, V. Dyakonov, R. Katoh, et al.
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Journal Title
Adv. Energy Mater.
Volume: 12
Issue: 13
Pages: 2102776-2102776
DOI
Related Report
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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