ムチンを介した宿主-腸内細菌の相利共生関係の解明とその応用
Project/Area Number |
20H02929
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 38050:Food sciences-related
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
森田 達也 静岡大学, 農学部, 教授 (90332692)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日野 真吾 静岡大学, 農学部, 准教授 (70547025)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥17,160,000 (Direct Cost: ¥13,200,000、Indirect Cost: ¥3,960,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2021: ¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2020: ¥8,190,000 (Direct Cost: ¥6,300,000、Indirect Cost: ¥1,890,000)
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Keywords | ムチン / 腸内細菌叢 / 短鎖脂肪酸 / 腸内細菌 / 相利共生 / 腸管バリア |
Outline of Research at the Start |
腸杯細胞が産生・分泌するムチンは,粘液バリア層を形成すると同時に, 大腸では腸内細菌の発酵基質となる。一方で,腸内細菌の主要な発酵代謝産物である短鎖脂肪酸(SCFA)は, 大腸上皮細胞のエネルギー基質となるほか, 宿主の免疫系・代謝系・神経系に作用することで全身の恒常性維持に寄与することが示唆されている。本課題では,「宿主はムチンを腸内細菌に供給することで増殖・代謝を促し,一方,腸内細菌はSCFAを供給することで宿主の恒常性維持に寄与する」というムチンを介した宿主―腸内細菌の相利共生関係を明らかにするとともに,新規プレバイオティクスとしてのムチンの有効性を検証することを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
① 回腸-直腸吻合ラットを作製し,無繊維飼料を摂取させた回腸-直腸吻合ラットの糞便へのムチン量 (重量,O-結合性糖鎖当量)を測定した。その結果,上部消化管から大腸に流入するムチンは一日あたり150mg程度であり,O-結合性糖鎖当量換算では40μmolであることが明らかになった。 ②①の試験結果に基づき, 大腸へのムチン流入量が2倍(0.6%PM群)または3倍(1.2%PM群)となるように精製ブタ胃粘膜ムチンを添加した飼料を調製した。この飼料をラットに2週間摂取させ, 盲腸でのSCFA産生量, ムチン分解活性および16S rRNA遺伝子のメタゲノム解析を行った。その結果,盲腸でのSCFA産生量は精製ブタ胃粘膜ムチンの摂取量依存的に増加した。特に酪酸の増加比率は大きく,1.2%PM群では対照群の2倍にまで増加した。ムチン分解活性は1.2%PM群で対照群の1.5倍に上昇した。また,16S rRNAメタゲノム解析の結果,対照群と比較して、PMの摂取は、Hungatella hathewayi、Allobaculum stercoricanis、Clostridium oroticum、Marvinbryantia formatexigens、Lactobacillus johnsonii、Lactobacillus reuteri、Desulfovibrio desulfuricansの相対的な存在比を用量依存的に増加させ、コントロール群とPM1.2%群の間で有意な差が見られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ラットでの上部消化管から大腸に流入するムチン量の推定および大腸に流入するムチン量の増加が腸内細菌叢に変化をもたらすことを明らかにできたため。
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Strategy for Future Research Activity |
①ムチンを構成する主要な糖であるN-アセチルグルコサミン, フコース, シアル酸を添加した飼料をラットに摂取させ, 盲腸でのSCFA産生量, ムチン分解活性および16S rRNA遺伝子のメタゲノム解析を行う。 ②ムチンおよびその構成糖を摂取させたラットの盲腸および結腸のIgA形質細胞およびTreg細胞比の測定(FACS)ならびに, 粘膜組織のサイトカイン発現パタンを測定する。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)