Project/Area Number |
20H03164
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 42030:Animal life science-related
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
小原 恭子 鹿児島大学, 農水産獣医学域獣医学系, 教授 (20225478)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡林 環樹 宮崎大学, 農学部, 教授 (10359995)
迫田 義博 北海道大学, 獣医学研究院, 教授 (40333637)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥17,680,000 (Direct Cost: ¥13,600,000、Indirect Cost: ¥4,080,000)
Fiscal Year 2022: ¥5,980,000 (Direct Cost: ¥4,600,000、Indirect Cost: ¥1,380,000)
Fiscal Year 2021: ¥5,980,000 (Direct Cost: ¥4,600,000、Indirect Cost: ¥1,380,000)
Fiscal Year 2020: ¥5,720,000 (Direct Cost: ¥4,400,000、Indirect Cost: ¥1,320,000)
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Keywords | IRES / FMDV / CSFV |
Outline of Research at the Start |
口蹄疫ウイルスや豚コレラウイルスのゲノム5’端には、長い非翻訳領域(IRES)が存在し、リボゾームが認識してウイルス蛋白質合成を開始する。IRESを標的にして複製を抑制できる事が同属ウイルスで報告されており、IRES遺伝子配列が比較的保存している事からより広いスペクトラムの抗ウイルス作用の標的となる事が期待できる。そこで本研究では、IRES発現細胞を樹立して抗ウイルス活性物質を探索し、汎血清型さらには両ウイルスに有効な物質を得る。また、これらの作用機序やIRESに作用する宿主因子の解析から新規抗ウイルス薬の開発や口蹄疫・豚コレラ抵抗性家畜の樹立に繋がる基礎的知見を得る。
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Outline of Annual Research Achievements |
口蹄疫や豚熱は一度発生すると畜産業に甚大な被害を与える家畜伝染病で、制圧に多国間の協力を要する越境性動物疾病である。これらの原因ウイルスである口蹄疫ウイルス(FMDV)や豚熱ウイルス(CSFV)のゲノム5’端には、長い非翻訳領域(IRES)が存在し、リボゾームが認識してウイルス蛋白質合成を開始する。IRESを標的にして複製を抑制できる事が同属ウイルスで報告されており、IRES遺伝子配列が比較的保存している事からより広いスペクトラムの抗ウイルス作用の標的となる事が期待できる。これまでに、FMDV-IRESやCSFV-IRESを標的としたshRNA発現ベクターを開発し、IRES阻害効果を確認している。このうち、FMDV-IRESのshRNAは、FMDVの7血清型で保存した遺伝子領域を標的としている。また、FMDV-IRESに作用する宿主因子については、IRES活性を阻害するフランス松樹液のピクノジュノール(PYC)を作用した際に発現が変化するものをマイクロアレイで解析し、大きく発現抑制される宿主因子に対してsiRNAを設計してこれら因子の関与を確認した。同時にこれらの因子のうち、CSFV-IRESでも作用する因子をsiRNAで確認した。作用の強いものから、polycystic kidney disease 1-like 3 (PKD1L3)、ubiquitin-specific peptidase 31 (USP31)が同定されている(Ide et al., Sci. Rep., accepted 2022)。今後は、これらの因子の生体におけるIRES制御作用を解明するため、ノックアウトマウスの樹立を実施する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
フランス松樹液のPYCのFMDV, CSFV-IRES活性抑制効果を見出し、それらが、PKD1L3, USP31というこれまでIRES活性との関与を全く報告されいない因子を介している事を明らかにした。また、PKD1L3, USP31はFMDDV-IRES, CSFV-IRES共に制御に関与しており、CSFVの複製制御にも関わることを明らかにして報告した(Ide et al., Scientific Reports 2022, accepted)。
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Strategy for Future Research Activity |
1) FMDV-IRES, CSFV-IRESを標的としたshRNA発現ベクターが完成したため、これを用いてIRES活性やウイルス複製への効果を検証する。2)FMDV-IRESに作用する宿主因子の探索をPYC処理後マイクロアレイ法を用いて行なっている。候補となる宿主因子のIRESにおける作用については、siRNA等を用いて検証を進める。3) FMDV-IRES作用する宿主因子のうち、CSFV-IRESにも作用する因子を探索する。4)これらの共通因子のうち、FMDVやCSFVの複製にも作用する因子を探索する。5)FMDV-IRES, CSFV-IRESに共通に作用する因子が生体内で示す作用を明らかにするため、これらの因子を発現しないノックアウトマウスの樹立を行う。これらのマウス体内でのFMDV, CSFV-IRES活性の変化や、これらのウイルスの複製に対する効果の解析を進める。 6)これらの知見から、FMDV, CSFV抵抗性家畜の樹立に必要な知見を得る。 7)産業動物防疫コンソーシアムや共同研究を通じてFMDV, CSFVへの抗ウイルス活性評価系の樹立を進める。
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