Molecular mechanism of cellular reprogramming in plants
Project/Area Number |
20H03284
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 44030:Plant molecular biology and physiology-related
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
杉本 慶子 国立研究開発法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, チームリーダー (30455349)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥17,680,000 (Direct Cost: ¥13,600,000、Indirect Cost: ¥4,080,000)
Fiscal Year 2022: ¥5,070,000 (Direct Cost: ¥3,900,000、Indirect Cost: ¥1,170,000)
Fiscal Year 2021: ¥5,980,000 (Direct Cost: ¥4,600,000、Indirect Cost: ¥1,380,000)
Fiscal Year 2020: ¥6,630,000 (Direct Cost: ¥5,100,000、Indirect Cost: ¥1,530,000)
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Keywords | 細胞リプログラミング / 器官再生 / 植物ホルモン / ストレス応答 / シロイヌナズナ |
Outline of Research at the Start |
傷害ストレスは細胞リプログラミングを誘導し、器官再生を促進するが、その分子機構は断片的にしか理解されていない。本研究ではストレス応答に関与する転写因子の下流標的遺伝子を同定し、機能を解析することで、傷害ストレスがいかに細胞リプログラミングを誘導するかを解明する。またシロイヌナズナの葉肉プロトプラストからの再生系を用いて、傷害誘導性の転写制御ネットワークが最終分化した細胞からのリプログラミングにも関与するかどうかを検証し、植物細胞の分化転換機構の包括的な理解を進める。
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Outline of Annual Research Achievements |
傷害ストレスは細胞リプログラミングを誘導し、器官再生を促進するが、その分子機構は断片的にしか理解されていない。私たちは最近傷害ストレスが高温ストレスと一部共通した遺伝子発現変化を起こすことを見出している。本研究ではこの知見をもとに傷害応答性の細胞リプログラミングを制御する転写制御機構の解明を進めることを目的とする。特に組織培養系を用いて細胞リプログラミングに関与する傷害シグナル受容後初期の転写制御ネットワークを明らかにするとともに、葉肉プロトプラストの培養系を用いてこれらの制御因子の最終分化細胞からのリプログラミングにおける機能を検証することを目指す。今年度はストレス応答に関与する転写因子が傷害応答性の遺伝子発現を制御し、細胞リプログラミングを誘導するという仮説を検証するため、これらの転写因子の形質転換体を用いたRNAseq、ChIPseq解析を行い、下流標的遺伝子の同定を進めた。この結果、これらの転写因子によって段階的に誘起される転写因子群を捉えることに成功した。これらの下流因子の中には細胞リプログラミングにおける機能がわかっていない遺伝子も多数含まれるため、これらの機能欠損体、過剰発現体の整備を進め、表現型解析に着手した。これまでに組織培養系での細胞リプログラミングを正に制御する新規因子を同定した。またこれまでに細胞リプログラミングにおける機能がわかっている遺伝子については、遺伝学的手法を用いて機能関係を明らかにする実験に着手した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は傷害ストレス応答に関与する転写因子の過剰発現体を用いたRNAseqを行い、この転写因子によって経時的に誘導される下流遺伝子群を同定した。またこれらの転写因子にGFPを融合させたタンパク質を発現する植物体を用いてクロマチン免疫沈降(chromatin immunoprecipitation, ChIP) seq解析を行い、転写因子が直接結合し、発現制御する遺伝子群、また転写因子の働きによって間接的に誘導されるリプログラミング制御因子群を選抜した。これらの結果は傷害ストレス応答において多層的な転写制御ネットワークが機能するという予測と合致するものであり、これらの下流因子の機能欠損体、過剰発現体の表現型解析を進めることで機能解明を進めた。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度行ったRNAseq, ChIPseq解析から注目する転写因子が直接制御することが予想されるストレス応答関連遺伝子群、及び間接的に発現誘導することが予想されるリプログラミング遺伝子群をそれぞれ同定している。今年度は昨年度に引き続きこれらの因子の機能欠損体、過剰発現体を整備し、表現型解析を進める。ストレス応答関連遺伝子については、これまでにドミナントネガティブ植物体で表現型を示すものを複数単離しており、今年度は単一遺伝子の機能欠損体や近いホモログとの多重変異体でも同様の表現型を示すかどうかを確認する。またこれらの表現型を示す植物体を用いたRNAseq を行い、これらの下流の転写カスケードを明らかにする。さらに、間接誘導されるリプログラミング遺伝子の機能欠損体に上流因子の過剰発現体を導入し、その表現型を評価することで、明らかになりつつあるgene regulatory networkを遺伝学的に検証する。
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Report
(1 results)
Research Products
(12 results)