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自然免疫の活性化が誘因となる移植肺機能不全の抑制

Research Project

Project/Area Number 20H03769
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (B)

Allocation TypeSingle-year Grants
Section一般
Review Section Basic Section 55040:Respiratory surgery-related
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

田中 里奈  京都大学, 医学研究科, 助教 (80847517)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 伊達 洋至  京都大学, 医学研究科, 教授 (60252962)
Project Period (FY) 2020-04-01 – 2023-03-31
Project Status Granted (Fiscal Year 2021)
Budget Amount *help
¥10,920,000 (Direct Cost: ¥8,400,000、Indirect Cost: ¥2,520,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2021: ¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2020: ¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Keywords移植肺機能不全 / 自然免疫 / 抗炎症性脂質メディエーター / 虚血再灌流肺障害 / 肺移植 / 移植肺 / 肺機能不全 / 拒絶
Outline of Research at the Start

いまだ不良である肺移植後の予後を改善するため、いわゆる慢性拒絶による移植肺機能不全の克服が必須である。慢性拒絶のリスク因子として、肺移植後早期に発症する虚血再灌流障害や、気道感染の持続が知られている。虚血再灌流障害や気道感染による自然免疫の活性化による「過度の炎症」は、アロ免疫応答を惹起し、移植肺の機能廃絶につながると考えられる。抗炎症作用を有するメディエーターとして近年同定されたResolvin、Lipoxinといった抗炎症性脂質メディエーターが、「過度の炎症」が誘因となる移植肺機能不全を抑制しうるかを、小動物肺移植モデルと質量分析による臨床検体の解析を通じて検討する。

Outline of Annual Research Achievements

近年同定された抗炎症性脂質メディエーター(Specialized pro-resolving lipid mediators: SPMs)は急性炎症の収束に大きく関わり、過度な炎症による臓器障害を軽減すると報告されている。肺移植や虚血再灌流肺障害(Ischemia-reperfusion injury: IRI)においてSPMsの動態と作用の検討を行うことは、虚血再灌流肺障害やそれをきっかけとする拒絶反応の治療法の開発につながり、肺移植患者の予後の改善に貢献しうる。申請者らは、2019年度・科研費・研究活動スタート支援により、ラットの左肺門を一定時間遮断し温虚血状態とした後に、遮断を解除して再灌流を行い、IRIを生じさせるラット左肺門クランプモデルにおいて、障害肺においてSPMの受容体の1つであるFPR2が障害肺における炎症細胞に発現しており、FPR2に作用するSPMであるAspirin-triggered (AT) resolvin D1(AT-RvD1)とAT-lipoxin A4(AT-LXA4)を投与すると、IRIに対して保護効果があることを確認した。本研究期間では、AT-RvD1とAT-LXA4の投与前にFPR2受容体拮抗薬を投与すると、AT-RvD1とAT-LXA4のIRIに対する保護効果はみられず、AT-RvD1とAT-LXA4の効果はFPR2を介するものであることを確認した。さらに、ラット左肺門クランプモデルにおいて、IRI発症後いくつかの再灌流時間における障害肺の生理データと左肺組織を採取し、質量分析(lipid metabolomics)にて内因性のSPMsの測定を行い、障害肺の肺機能や炎症性サイトカインとの関連を検討中である。また、SPMsの作用を肺移植モデルで詳細に検討するため、マウス肺移植モデルの確立と実験条件の最適化を行っている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

炎症細胞に発現するFPR2への介入がIRIの治療ターゲットになりうることを確認、また、これまで報告のないIRIの発症と改善のプロセスにおける内因性のSPMsの測定が施行しえ、おおむね順調に経過している。

Strategy for Future Research Activity

SPMsであるAT-RvD1とAT-LXA4は、FPR2受容体を介してIRIに対する保護効果を発揮することが明らかとなった。さらに、FPR2がIRIに対する治療ターゲットになりうるかを確認するためには、FPR2がIRIの発症と収束過程に果たす役割の詳細な検証が必要である。これらの知見の肺移植への臨床応用可能性の検討として、肺移植モデルにおけるSPMsとその受容体の動態と作用の検証を行う必要がある。マウスのIRIモデルと肺移植モデルを確立し、また、肺移植の臨床検体を用いてこれらの検討をすすめる。

Report

(1 results)
  • 2020 Annual Research Report

Research Products

(2 results)

All 2021 2020

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] 肺の虚血再灌流障害における抗炎症性脂質メディエーターResolvin D1及びLipoxin A4の動態と効果2021

    • Author(s)
      尾田博美、田中里奈、横山雄平、池田政樹、上田聡司、栢分秀直、豊洋次郎、山田義人、大角明宏、濱路政嗣、中島大輔、伊達洋至
    • Organizer
      第37回 日本肺および心肺移植研究会
    • Related Report
      2020 Annual Research Report
  • [Presentation] 肺の虚血再灌流障害に対するALX/FPR2を介したResolvin D1およびLipoxin A4の効果2020

    • Author(s)
      尾田博美、田中里奈、横山雄平、池田政樹、徳野純子、上田聡司、栢分秀直、豊洋次郎、山田義人、大角明宏、濱路政嗣、中島大輔、伊達洋至
    • Organizer
      第56回 日本移植学会総会
    • Related Report
      2020 Annual Research Report

URL: 

Published: 2020-04-28   Modified: 2022-04-19  

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