Project/Area Number |
20H03949
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 58030:Hygiene and public health-related: excluding laboratory approach
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Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
大橋 唯太 岡山理科大学, 生物地球学部, 教授 (80388917)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
亀卦川 幸浩 明星大学, 理工学部, 教授 (20409519)
井原 智彦 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 准教授 (30392591)
高根 雄也 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 主任研究員 (80711952)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥17,550,000 (Direct Cost: ¥13,500,000、Indirect Cost: ¥4,050,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2021: ¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2020: ¥6,890,000 (Direct Cost: ¥5,300,000、Indirect Cost: ¥1,590,000)
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Keywords | 循環器系疾患 / AI予測 / 数値気象モデル / 将来予測 / 急性循環器疾患 / 呼吸器疾患 / 気象・気候 / 発症・死亡リスク / 機械学習モデル / 統計モデル / 循環器疾患 / 発症リスク / 死亡リスク / 数値シミュレーション / 大気汚染 / 急性呼吸器疾患 / 数値流体モデル / 夏季高温 / 月平均気温 / 回帰分析 / 気象 / 機械学習 |
Outline of Research at the Start |
人口が集中する都市の屋内外環境における急性循環器系疾患の死亡リスクを、気象と都市の数値流体モデルによって高解像でマップ化することが、本研究の主課題である。 建物室内での生活、屋外空間での歩行や労働など、個々の活動条件を想定した疾患リスクの定量評価を試みる。この物理モデルで得られた結果をもとに、AI(機械学習)による疾患リスク予測の簡易手法を確立する。また、将来の気候変動によって予想される極端な高温化が、急性循環器系疾患の死亡リスクをどの程度上昇させるかについても、予測評価を試みる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の主体を構成する以下の3項目について研究を遂行することができた。 (1)東京23区と大阪市を対象に、日々における循環器・呼吸器疾患の死亡数と外来患者数を、その日や前日までの気象データによって予測するモデルをAI(機械学習)によって作成することができた。人流データを特徴量に含めたモデルでも死亡や発症リスクの予測精度があがることはなく、特に心疾患の場合には気温、脳血管疾患の場合には気圧が特徴量として重要となることが明らかとなった。 (2)(1)で作成したAIモデルを用いて、2050年など将来気候シナリオ時(CMIP5の気候モデル結果で、高位参照シナリオ)における東京23区での死亡リスクの変化を推定する試みをおこなった。 (3)コロナ感染拡大前の時代(2019以前)と感染拡大時(2020年)のあいだで見られた循環器・呼吸器疾患の死亡数の変化をもとに、感染拡大時の気象条件から本来推定される死亡数を明らかにした。その結果に対して東京23区を例に、感染拡大前からの人流変化データによって検討することができた。 (4)モバイルデータから地域メッシュ内の屋外と屋内の人口割合を時空間的に特定する手法を検討し、疾患発症との関連性を分析できた。 (5)日本気象学会2022年度秋季大会において、「極端な気象・気候がもたらす健康リスク」というテーマで専門分科会を開催し、本研究課題の成果に限らず多くの専門家の研究や情報交換ができ、本研究課題のブラッシュアップにつなげることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題の中核ともいえる機械学習による疾患死亡リスクのAI予測を構築することができた。さらに将来気候シナリオにもとづく死亡リスクの予測評価もおこなうことができ、おおむめ順調に研究目標をクリアしつつある。一方で、最終目標である都市気象モデルへの結合による評価モデルの作成までは至っていないため、次年度に実施を目指す。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題を構成する以下の3項目について、研究を加速させていく。 (1)都市気象モデルを利用した循環器疾患発症リスクの数値シミュレーション 疫学データと気象データによって作成された循環器疾患発症リスク予測モデルを、都市気象モデルに組み込むことで時空間的に細かな評価を行えるモデルを開発する。 (2)都市気象モデルの導入によって、過去の疾患の高リスク事例(日または期間)における都市域全体の数値シミュレーションをおこない、そのときの屋内気温の再現から疾患発症リスクの低減量を推定する。 (3)都市気象モデルを利用した疾患発症リスクの将来予測 (1)と(2)を踏まえたうえで、都市気象モデルによる将来気候シナリオ下での循環器疾患発症リスクの予測評価を試みる。このとき力学的ダウンスケーリング手法によって作成された将来気候データを用いることで、昨年度の統計的ダウンスケーリング手法よりも、より物理的に信頼度の高いアウトプットを得る。
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