Basic study for developing NASH therapeutic drugs by using a small molecule derived from the cellular slime mold serving as a lead compound
Project/Area Number |
20H04110
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 59040:Nutrition science and health science-related
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
石川 智久 静岡県立大学, 薬学部, 教授 (10201914)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河田 則文 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (30271191)
濱島 義隆 静岡県立大学, 薬学部, 教授 (40333900)
山口 桃生 静岡県立大学, 薬学部, 助教 (30804819)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥18,070,000 (Direct Cost: ¥13,900,000、Indirect Cost: ¥4,170,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2021: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2020: ¥10,010,000 (Direct Cost: ¥7,700,000、Indirect Cost: ¥2,310,000)
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Keywords | 肝星細胞 / 非アルコール性脂肪肝炎 / DIF-1 / 肝線維化 |
Outline of Research at the Start |
非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の発症及び予後不良には肝線維化が深く関与する。しかし、肝線維化の有効な予防・治療法はない。肝臓に存在する肝星細胞(HSC)は、肝傷害時に活性化されて性質が変化し、コラーゲンを産生・分泌するようになることから、肝線維化の責任細胞と考えられている。現在、肝線維化を治療する薬はないが、活性化されたHSCを静止型へと脱活性化できれば、肝線維化も治療可能であると期待される。 我々は最近、細胞性粘菌由来の低分子物質が活性型HSCを静止型へと脱活性化することを見出した。本研究では、この物質を利用することで、肝線維化を抑制するNASH治療薬の開発を目指した基礎研究を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
肝非実質細胞の一つである肝星細胞(Hepatic stellate cell: HSC)は、肝障害時に活性化され、コラーゲンを産生・分泌する筋線維芽様細胞へと形質転換する。そのため、活性型HSCは肝線維化の責任細胞と考えられており、活性型HSCを静止型へと脱活性化できれば、肝線維化も治療可能であると期待される。申請者らは最近、細胞性粘菌由来低分子化合物DIF-1がHSCの活性化を抑制することに加え、活性型HSCを静止型HSC様に脱活性化させるという大変興味深い結果を得た。本研究では、このDIF-1を利用して活性型HSCの脱活性化機構を解明するとともに、DIF-1をリード化合物として肝線維化を解消するNASH治療薬の創出に向けた基盤的研究を推進する。 初年度は、RNA-seq解析を用いて、マウス初代培養静止型HSC、活性型HSC 、DIF-1 を処置した脱活性化型(静止型様)HSC の mRNA 網羅的発現解析を行い、DIF-1 によるHSC 脱活性化に伴って発現が変化する分子の解析を実施した。HSCの“活性化シグナル”と“活性化維持シグナル”は異なっており、DIF-1の標的と考えられる“活性化型HSCの活性化維持シグナル”候補をいくつか見出した。 一方、NASHモデルマウスを用いた肝線維化回復の検証に関しては、NASHモデルとしてコリン欠乏高脂肪食CDAHFD摂餌およびGAN diet摂餌マウス、また肝線維化モデルとしてthioacetamide腹腔内投与マウスの3種類の肝線維化モデルを作製し、DIF-1の後処置による肝線維化治療効果を検証した。肝組織切片のsirius red染色を行い、DIF-1が肝線維化治療効果を有する可能性を見出した。今後は、ヒドロキシプロリン量および、活性型HSCのマーカーの発現量を測定し、より詳細に肝線維化の回復を評価する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度に予定していたmRNA-seqを用いたHSCの“活性化シグナル”と“活性化維持シグナル”の解析は、DIF-1の標的と考えられる“活性化型HSCの活性化維持シグナル”候補をいくつか見出し順調に進捗している。次年度予定していたDIF-1をリード化合物として合成した化合物を用いた構造活性相関解析に関しても既に取り掛かっており、HSC活性化抑制に対し、DIF-1より強い活性を有する化合物も見出している。さらに、最終年度に予定していたNASHモデルマウスを用いた治療解析に関しても、既に肝組織サンプルの回収はいくつか終えており、おおむね順調に進捗しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、DIF-1 による肝星細胞(HSC)脱活性化のシグナル経路の解析を行う。初年度に実施したRNA-seq解析の結果を基に、DIF-1の標的分子の候補、及びDIF-1によるHSC脱活性化に伴い発現が変動する分子について、CRISPER/Cas9を用いてノックアウトもしくはノックインさせたマウス初代培養HSCを作製し、DIF-1の標的分子の同定、及びDIF-1によるHSC脱活性化のシグナル経路の解析を行う。さらに、マウス初代培養HSCで明らかとなったDIF-1のHSC脱活性化機序を、ヒト初代培養HSCにおいても検証する。 DIF-1をリード化合物として合成した化合物を用いた構造活性相関解析も実施し、より効果の高いNASH治療薬の創出を目指した検討も行う。DIF-1の炭素鎖の伸長短縮、ベンゼン環の他の環状構造への変更、ベンゼン環のハロゲン化、及びケトンのアミドやエステルへの変更等を試みる。生物活性の評価には、HSC脱活性化作用及びDIF-1標的分子への結合解析を行う。 また、コリン欠乏高脂肪食摂餌、GAN diet摂餌、高脂肪食摂餌+thioacetamide腹腔内投与により作製した3種類のNASHモデルに化合物を投与し、その効果を解析する。静止型HSCマーカーGFAPの発現解析及びsirius redによる肝線維化評価を行う。さらに、tamoxifen 処置によりI 型collagen α2 を発現する活性型HSCがGFP標識されたCol-α2(I)-GFP マウスを作出するため、I 型collagen α2 の遺伝子にCreER 遺伝子を組み込んだCol-α2(I)-ER-Cre マウスと、外来遺伝子発現を許すRosa26 遺伝子座内に転写をSTOP させる配列を組み込んだRosa26-f/f-GFP マウスを作製し、最終年度に実施予定の活性型HSC追跡実験に備える。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)