Evolutionary origins of musicality: Comparative cognitive study about an ability to anticipate auditory rhythm and melody
Project/Area Number |
20H04490
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 90030:Cognitive science-related
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
服部 裕子 京都大学, ヒト行動進化研究センター, 助教 (60621670)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ユ リラ 東京大学, 大学院総合文化研究科, 特別研究員 (60760709)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥17,550,000 (Direct Cost: ¥13,500,000、Indirect Cost: ¥4,050,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2021: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2020: ¥7,150,000 (Direct Cost: ¥5,500,000、Indirect Cost: ¥1,650,000)
|
Keywords | 音楽性の進化 / リズム知覚 / 霊長類 / テナガザル / チンパンジー / 音楽性 / アイトラッキング / リズム同調 / 視線計測 / 聴覚リズム / 比較認知科学 / 聴覚認知 |
Outline of Research at the Start |
ダンスや合唱といった音楽は世界中の民族や文化で取りいれられており、ヒトに普遍的なコミュニケーションだと言われているものの、その進化的な起源はまだ十分に明らかにされていない。本研究では、ヒト、チンパンジー、テナガザルを対象に、様々な聴覚リズムやメロディを提示し、その際の瞳孔反応や行動反応を分析し、それらをどの程度予測しながら聞いているのかを明らかにすることで、ヒトの音楽性の進化的起源の解明を目指す。
|
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、まずアイトラッカへの馴致が終了したテナガザルを対象に、視線計測の誤差1°未満を基準にキャリブレーションの訓練を行った。2個体について、安定してキャリブレーションを行うことが出来たため、そのうち1個体については、視覚刺激を用いた予備実験も行った。ヒトの顔とテナガザルの顔(同種他個体)を提示し、視線探索を分析したところ、これまで他の霊長類で報告されていたのと同様に、同種他個体の顔をヒトの顔刺激よりもよく見る傾向が見られた。また、顔刺激の中でも目を長く見る傾向も見られた。その後、聴覚刺激を用いた瞳孔反応課題を初めている。チンパンジーについては、昨年度から同様の課題を行っており、データ分析を行った。課題は、風景写真提示の間に、真ん中に注視点がある白色背景もしくは灰色背景画像を提示し、半分の試行で画像提示中にホワイトノイズを出すことで音の効果について調べた。その結果、白色背景が提示された場合には、瞳孔拡大までの潜時が提示されなかった場合よりも有意に短くなる傾向が見られた。また、背景の明るさによる瞳孔反応の違い(白色背景画像の方が灰色背景よりも瞳孔の拡大が小さい)も確認された。これらの結果は、チンパンジーにおいても視覚刺激や聴覚刺激に対する瞳孔反応が検出できることを示している。一方で、テストフェーズにおいて一定以上(70%以上)瞳孔サイズが計測できた試行は全体の6割程度と、被験体が継続して刺激を見続けるという点について課題もあることがわかった。今後実験では、テストフェーズの視覚刺激や提示のタイミングを検討することで、分析対象となるフェーズのデータ取得率向上を図る。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
テナガザルを対象にしたアイトラッキング実験において、チンパンジーで用いた音刺激を提示したところ、データ収集場所から離れてしまうことが生じた。刺激強度が大きすぎたため生じたものと考え、音圧を小さくして提示したところ、そうしたことは見られなくなったので、引き続きデータ収集を行う。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は、キャリブレーションの訓練を終えたテナガザル2個体およびチンパンジー8個体を対象に、聴覚オッドボール課題における瞳孔の変化についてアイトラッカを用いて計測する。前回の予備実験から、テストフェーズ時の注視時間を延ばすために、視覚刺激(風景写真など)を提示しその間に音刺激を再生する。刺激は異なる音刺激間で同じものを用いて、順番はランダムに提示する。テナガサルとチンパンジー8個体のデータ収集と並行して、ヒト被験者の実験を実施する予定である。 また、上記の実験とは別に、チンパンジーがディスプレイで示すリズム音および発声の分析を行う。飼育下での観察から、オスのチンパンジーが野生下で報告されているよりも長い時間リズミカルなディスプレイを行うことが記録されている。そうしたディスプレイのカテゴリカルリズムについて、ビデオ記録を行い後に音声を分析することで行う。また、記録した音ディスプレイを用いて、リズム運動の誘発について、実験室におけるプレイバック実験を行う。音刺激のテンポを操作し、誘発されるリズム運動の周期性をビデオ画像から分析することで、音のテンポが動きに影響を与えているのか、また、どの程度音刺激のリズムを予測しながらリズム運動を生成しているのかについて検討する。
|
Report
(2 results)
Research Products
(8 results)