現代日本ポピュラー音楽のナショナリズム動向―「愛国ソング」の調査と分析
Project/Area Number |
20K00152
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 01050:Aesthetics and art studies-related
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Research Institution | Osaka Metropolitan University (2022-2023) Osaka City University (2020-2021) |
Principal Investigator |
増田 聡 大阪公立大学, 大学院文学研究科, 教授 (50325304)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2022: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2021: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2020: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | ナショナリズムと音楽 / 愛国主義 / 排外主義 / ポピュラー音楽 / ナショナリズム / 音楽と政治 |
Outline of Research at the Start |
近年の日本ポピュラー音楽において顕著になりつつある「ナショナリズム的傾向」の量的調査ならびに質的分析を行う。「愛国ソング」「右翼ロック」「ニッポン系ポップ」などと呼称される、これらのナショナリズム的傾向を表す音楽実践について、 (1)戦後日本ポピュラー音楽史を踏まえつつその浮上の過程をたどり (2)ナショナリズム的傾向の顕著な「愛国ソング」の量的動向およびその背景をなす実践の詳細を把握し (3)現代ナショナリズム論や他分野の文化ナショナリズム的動向と関連させつつその拡大のメカニズムを明らかにする
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Outline of Annual Research Achievements |
近年の日本ポピュラー音楽において顕著になりつつある「ナショナリズム的傾向」の量的調査ならびに質的分析を目的とした本研究課題は、下記の三つの研究軸に基づく遂行を計画している。 (a)文化ナショナリズムに関する理論的研究 (b)「愛国ソング」の量的データの収集と整備 (c)音楽実践におけるナショナリズム意識と実践の調査 令和5年度は研究最終年度にあたり、必要となる機材整備や資料収集につとめるとともに、前年度までに遂行した(a)(b)の作業を踏まえて分析検討を継続した。 (a)については特に大衆文化思想史の諸研究を渉猟し、戦後日本現代文化におけるナショナリズムの大衆文化における表出様態についての理論的調査と、経験的事象の位置付けに関する作業を行った。(b)については前年度に引き続き、戦後日本における歌謡曲史・洋楽ポピュラー音楽受容史との関係に留意しつつ、愛国ソングデータベース化の拡充、既存の歌詞データベースほかの諸資料との関係の整理を行い、ナショナリズム表象の分析検討を進めた。さらに、派生的なテーマとして歌唱実践におけるアイデンティティ表出の美学的構造についての学会発表を行った。コロナウイルス感染症のために実地調査が困難となっている(c)については調査手法を変更し、代替的な手法(二次文献やネット資料の活用)によって文化実践におけるナショナリズム意識の抽出に努めた。本務校の統合による業務多忙により、計画期間内に研究をとりまとめる予定遂行に引き続き困難が生じているため、一部の研究計画を令和6年度に先送りせざるを得なかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の拡大により、関西圏を離れた実地調査(デモにおける音楽実践の調査やインタビュー調査)が不可能となった。 そのため(a)の理論的調査と(b)のデータ整備に注力し、三つの研究軸が有機的に展開する段階にまでは至っていない。調査計画を見直し、二次文献やネット言説などの活用によって、音楽実践におけるナショナリズム意識を抽出する作業を行うこととした。研究期間を当初の3年間から4年間に延長したが、予想を超えた校務の多忙につき、さらに1年間の延長を行わざるを得なかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度も引き続き(a)(b)の作業を継続しつつ、そこで明らかになった小課題のうち、実地調査に頼らずとも遂行できる範囲での分析・調査を進展させることとする。手法としては二次文献の活用、ネットを介した探索的インタビューやネット言説調査などにより、(c)の作業を代替的に進行させ、最終的な研究成果のとりまとめを行いたい。
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Report
(4 results)
Research Products
(4 results)