近代日本における「夢幻」「幻想」の系譜-泉鏡花文学の成立と受容の検証を基軸として
Project/Area Number |
20K00284
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02010:Japanese literature-related
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
鈴木 啓子 宇都宮大学, 共同教育学部, 教授 (70206473)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2021: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 幻想 / 夢幻 / 近代日本 / 泉鏡花 / 幻想小説 / 児童文学 / 翻訳文学 / 古典芸能 / 幻想文学 |
Outline of Research at the Start |
近代日本における「幻想文学」とはいかなるものであったか。「夢幻」「幻想」をキーワードとして、近代日本における幻想的な文学現象を、明治初頭から昭和戦前期まで析出し、その特質と展開、および相互の影響関係について、網羅的に検証し、通史的・統合的な全体像の獲得をめざす。また、ここに近代日本の代表的な幻想作家である泉鏡花を布置し、鏡花の幻想的作品の成立と受容の諸相を、明治期から平成期まで、個々の鏡花作品に即して具体的・多角的に検証し、鏡花文学の幻想性の特質と意義、近代日本における文学史的位相を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、近代日本における幻想的な文学現象を、明治初頭から昭和戦前期まで析出し、その特質と展開、および相互の影響関係を網羅的に検証し、通史的・統合的な全体像の獲得を目指すともに、ここに泉鏡花を布置し、鏡花の幻想的作品の「成立と受容」を、明治期から平成期まで、素材・テーマ・表現機構等の諸点から、通史的・具体的・多角的に検証し、鏡花文学の幻想性の特質と意義、その文学史的位相の解明をめざすことを目的としている。2022年度は、以下の①~⑦の観点で網羅的な調査を行うとともに、文献の複写や書籍の購入を行い、資料収集とその分析を行った。①近代日本(明治初年代~平成期)に刊行された文学作品・評論・解説・研究論文を「幻想」「夢幻」等のキーワードで検索、②硯友社文学、擬古典主義の小説家、文学界グループの幻想的特質、③翻訳文学・外国文学の影響、④近世小説の再評価の動向、⑤歌舞伎浄瑠璃からの影響、⑥能楽の再評価の動向と幻想的作品とのかかわり、⑦近代文学者による児童文学、少年少女雑誌に掲載された幻想的作品の調査。 泉鏡花研究会の運営担当理事として、2022年7月30日、2022年12月18日、オンラインで泉鏡花研究会大会を開催し、企画・運営・司会等を務めた。2023年3月27~28日、泉鏡花研究会例会の運営に携わり、実地踏査をおこなうとともに情報共有を行った。 研究成果の論文化を並行して進めており、泉鏡花研究会編『論集泉鏡花 第七集』(2022年11月)を刊行した。編集の代表者として11本の論文の査読編集に携わり、「あとがき」を執筆するとともに、単著として「本郷台の青春挽歌-「湯島詣」と赤門派につしての覚書-」を掲載した。また、「泉鏡花研究会会報」第38号(2022年12月20日)に、「資料紹介・吉田賢龍のローマ字詩」を掲載した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の拠点として研究代表者が運営幹事を務める泉鏡花研究会(研究大会2回・例会2~3回)を予定していたが、新型コロナ禍の影響で2022年度もオンライン開催となった。オンライン開催を軌道にのせるにあたり、時間と労力を要した。 この2~3年、諸般の事情で遅延していた泉鏡花研究に関わる出版業務を優先して行う必要があり、新しい調査分析に十分な時間を費やせなかった。 文献踏査の研究補助員として大学院生の雇用を予定していたが、コロナ禍により、学生の渡航制限・入構制限がおこなわれて実施できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
泉鏡花研究会の開催については、オンライン開催が軌道に乗って常態化しつつあり、今後は活発な活動がおこなえる予定である。 実地踏査や文献踏査は滞りがちであるが、国立国会図書館のデジタル化が進み、インターネット検索が進化したことを活かして、網羅的な調査分析を推進したい。 本研究で得られる成果を有効に公表するため、2023年度(最終年度)に予定していた研究成果の公表は、1年先送りして行う予定である。
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Report
(3 results)
Research Products
(6 results)