Project/Area Number |
20K00390
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02030:English literature and literature in the English language-related
|
Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
小林 正臣 琉球大学, 教育学部, 准教授 (30404552)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2022: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2021: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2020: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
|
Keywords | 『白鯨』 / アクターネットワーク理論 / 化石鯨 / 隔時性 / 思弁的実在論 / ハーマン・メルヴィル / バートルビー / オフィス・フィクション / ポストヒューマン / エコロジー / サイボーグ / エイハブ / 白鯨 / 物質への意志 / ポストヒューマニズム |
Outline of Research at the Start |
本研究は以下の3点について明らかにする。 1)「ポストヒューマン」として提示される人類の多様な進化形に注目することで、それがどのようにエイハブという多義的な人物に体現されているのか。 2)「ポストヒューマン」としてのエイハブを元型とすることで、それがどのように〈エイハブたち〉として以後のアメリカ文学やポピュラー映画に出現しているのか。 3)「ポストヒューマン」の諸相を体系的かつ系統的に検討することで、それをどのようにポストヒューマニズムの問題と展望として提示できるのか。
|
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は、ハーマン・メルヴィルの代表作『白鯨』に関する論文"The Sciences and Beyond: On Nonhumanity in Moby-Dick"を日本アメリカ文学会の全国誌The Journal of the American Literature Society of Japanにて発表した。本論文において、『白鯨』における新たなアプローチを追求するために、社会科学と自然科学からアクターネットワーク理論とクジラ学を援用しながら、学際的研究を行った。また、上記論文に関連する活動として、招待発表「人類以前と人類以後―『白鯨』第104章「化石鯨」における隔時性」を日本英文学会九州支部第76回大会にて行った。上記の理論や学問分野に加えて、人文学としての哲学から思弁的実在論を援用しながら、新たな『白鯨』論を試みた。本発表の要旨はProceedingsとして学会ホームページにも掲載されている。最後に、『白鯨』研究の延長としてのポストヒューマン研究として、SF作家テッド・チャンによる代表作「あなたの人生の物語」および『ソフトウェア・オブジェクトのライフサイクル』に関する論文"Work in an Age of Post-Work"を九州アメリカ文学会の会誌に発表した。この論文において眺望されるポスト労働社会における労働観は、今後のポストヒューマン研究において重要な位置を占めることが予想される。そして、ポストヒューマン史観を再構築する際には、『白鯨』からとチャンの作品に至るまでの文学史の再構築が可能となるだろう。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通り、複数の論文の執筆を行い、査読付き論文として発表することができた。また、招待発表の依頼を受け、学会発表をを行うことができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
査読論文の発表と招待発表を行ったことにより、両者において得たフィードバックなどを参考にしていく。それによって最終年度での総括を円滑に行うことができる。
|