Project/Area Number |
20K01091
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 03050:Archaeology-related
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
大橋 泰夫 島根大学, 学術研究院人文社会科学系, 教授 (80432615)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2020: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 国府 / 官衙 / 駅路 / 地方官衙 / 国庁 / 国司館 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、全国の国府について遺構と遺物の資料調査とその分析を通して、研究が遅れている平安時代後期における国府の実態解明を行い、国郡制に基づく地方行政システムの変容について考古学的に明らかにすることを目的としている。古代日本における地方行政システムは、地方官衙の構造に示されており、平安時代後期における国府の構造を考古学的に明らかにすることは、古代日本における諸国のあり方を知る上で、重要な学術的成果となる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では「考古学的に平安時代後期の国府の構造を明らかにする」ために、全国すべての国府を対象として進めている。研究の方法としては主に考古学的に平安時代後期を中心とした国府の構造について、建物を中心とした遺構、土器類や瓦類などの出土遺物の分析を通して検討することを目的として進めている。本研究ではできるかぎり、各地の国府跡について、現地において出土遺物の資料調査を実施し、遺跡の立地や遺構のあり方を具体的に遺物とともに検討することにしている。 令和2年度は、まず全国各地における国府跡の発掘調査状況および七道駅路との関係の把握に努め、調査報告書および研究論文等を中心とする文献資料の収集を実施した。令和3年度については、陸奥国府・多賀城跡、出羽国府関連遺跡の秋田城跡、横手市造山官衙遺跡群、岩沼市原遺跡の発掘査現場を視察、城輪柵跡については出土遺物の資料調査を行い情報収集を行なった。城輪柵跡は出土陶磁器の分析から、9世紀前半から11世紀前半までの長期間にわたって、国府としての機能が続いていたことを確認した。出雲・日向国府については昨年度に続いて遺構と遺物の検討を行い国府としての諸施設の機能と存続時期について把握した。国府と駅路の関係について、山陰道と出雲国府などとの関係を検討した。 3年目にあたる令和4年度は、南海道の讃岐国府・土佐国府・阿波国府、東海道の伊勢国府・伊豆国府・相模国府・上総国府・下総国府、北陸道の越中国府・能登国府の現地調査と報告書の内容整理を行った。これまで指摘されてきたように、それぞれの国府において建物跡などの官衙施設の変化が10世紀代に認められる場合が多い点、一方で11世紀台まで陶磁器類を中心に国衙機能は存続する可能性が高い点を把握した。また、南海道諸国においては他の諸道の国と異なり、国府や官寺の国分寺が正方位をとらず、駅路や条里地割をとる特徴を把握できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和4年度前半は新型コロナによる職場の移動制限があり、計画通りにはいかなかったが、後半に各地の資料調査を行うことができ、おおむね令和4年度予定の研究は実施できた。 ただし、令和2から3年度に新型コロナまん延のために中止した国府関連遺跡の資料調査について、まだすべてを当初の予定通りに実施できていないが、ようやく各地の調査が実施できるようになり、研究が順調に進みはじめた。各地の現地における遺跡と遺物の資料調査に加え、これまでに行ってきた国府に関わる発掘調査報告書の分析を行いつつ、文献史学における平安期の古代国府の先行研究についても関連文献の収集を継続し、おおむね全体像を把握する準備を整えることができた。 令和4年度は、ようやく考古学的な資料調査を中心とする研究を進めることができるようになり、文献史学の国府研究成果をまとめる基礎的作業についても順調に進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度は、令和4年度と同じく、コロナまん延のために予定したが実施できなかった現地での資料調査を含めて、研究に関わる資料調査、情報収集を行う方針である。具体的には、山陰道の丹後国・若狭国、東海道の駿河国・遠江国、山陽道諸国のいくつかについて、現地調査と先行研究の把握、発掘調査報告書等の基礎的分析に力点を置いて研究を行う予定である。
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Report
(3 results)
Research Products
(7 results)