Social capital and the Commons: toward more Integrative Economic Thought
Project/Area Number |
20K01578
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 07020:Economic doctrines and economic thought-related
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
若森 みどり 大阪市立大学, 大学院経済学研究科, 教授 (20347264)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斉藤 尚 北海道大学, 経済学研究院, 准教授 (20612831)
橋本 努 北海道大学, 経済学研究院, 教授 (40281779)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2020: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | コモンズ / コモニング / 自由 / ケアの倫理 / ウェルビーイング / ポランニー / 塩野谷祐一 / 宇沢弘文 / 宇沢博文 / 社会的共通資本 / カール・ポランニー / オストロム |
Outline of Research at the Start |
本研究は、「コモンズは市場経済にとって代わりうるか」という根本的な問いを経済思想の土俵で考察する、おそらく最初の試みである。本研究では、オストロムやボリエのコモンズ論、宇沢の社会的共通資本、ポランニー研究を交差させて検討し、3つの課題に取り組んでいく:①ポランニーや宇沢の経済思想の中核にある自由論や制度主義の思想を、コモンズ論に取り入れ、コモンズ論を思想的、政策的、制度論的に発展させる ②アメリカのデューイ的リベラリズムの思想と制度主義の考え方を内包する、宇沢の社会的共通資本の思想の現代的意義を明らかにする ③「経済を社会に埋め込む」というポランニーの命題に、最新のコモンズ論を取り入れる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究プロジェクトの2年目となった2021年度も、新型コロナ感染症による出張制限や健康状態に注意することが必要であったため、オンラインの形態で研究を行ってきた。 昨年度に続いて、若手研究者に参加してもらい近年のコモンズ論を収集する作業を行い、4回の研究会を行った。また、分担者それぞれが、コモン(ズ)理論の枠組みを学術的に検討する機会を設定し共有することができた。 とりわけ、分担者である橋本努(北海道大学教授)の『自由原理』の合評会とセッションを通じて(分担者である斉藤尚(北海道大学准教授)が企画者となり、代表者の若森みどり(大阪市立大学教授)が報告者の一人となった)、来るべき福祉国家の理念としての「自由原理」と「コモン」との関連を、人間の尊厳や環境を重視する制度主義の思想を念頭に置きつつ、原理的に考察することができた。福祉国家がどのようなコモンズを提供しうるか/提供すべきかについて、原理的な次元で議論を深めたといえる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度を通じて、研究代表者と研究分担者たちは、コモニングやコモンに関して、社会哲学的な次元での根本的な再定義について考察しそれらを共有する機会を得ることができた。『自由原理』の合評会(経済学史学会北海道部会)及び、そこでの議論を発展させた「福祉国家の思想史 セッション」(経済学史学会年次大会)において、ウェルビーイングについての自身の無知、自分に配慮することが苦手な人間像、他者への配慮とウェルビーイングをはぐくむ土壌への投資といった論点を確認した。こうした論点は、「脆弱性」を人間の本質と捉えて互いにケアし合う関係を創造する「ケアの倫理」のフェミニズムとそれが提起する民主主義の再定義と「ケアのコモニング」とも関連している。
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Strategy for Future Research Activity |
若手研究者たちとともに、コモンズやコモンに関する研究文献を読み解きつつ、環境/自然のケア・人間の自由と尊厳に配慮する制度や政策のための思想的資源として考察する。社会哲学的な、原理的な次元でのコモンズやコモンに考察を、引き続き行っていく。また、コモンズやコモンに関連させて、社会的共通資本やその投資についての制度的・政策的な次元での研究も工夫したい。宇沢弘文、塩野谷祐一、アメリカ制度学派やポランニーの研究、ナッジの政策論と功利主義批判、ケアの倫理の研究など、研究分担者と代表者たちのテーマをそれぞれ深化させながら、コモンやコモンズのテーマに関連させて研究を継続する。
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Report
(2 results)
Research Products
(41 results)