起立性調節障害の児童生徒における居場所の有用性と自己肯定感の向上に関する研究
Project/Area Number |
20K02314
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 08020:Social welfare-related
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Research Institution | Osaka University of Human Sciences |
Principal Investigator |
萩原 昭広 大阪人間科学大学, 人間科学部, 講師 (70845750)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2022: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2021: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2020: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | 居場所支援 / 起立性調節障害 / 自己肯定感 / 学生ボランティア / 交流 |
Outline of Research at the Start |
フリースクールやたまり場に代表される「居場所」の定義は多義かつ曖昧なため確立されていないが、近年では物理的側面・心理的側面の両方を併せ持つものと理解されつつある。 起立性調節障害を理由とした不登校は中学生全体の約1割を占めると言われる。登校できないことによって他者や社会との関わりが減り、対人面や学習・体力面で大きなハンデが生じている。 これらを踏まえ、疾病の特徴を踏まえた居場所支援を定期開催し、他者との交流の場の確保ややってみたいことの提案・企画・運営を学生ボランティアとともに行うなどの仕掛けを講じる。この居場所が対象児にとっての有用性や自己肯定感の向上に寄与するのかについて検証を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
起立性調節障害(以下、OD)当事者の参加率、学生ボランティアの出席率が前年度大幅に低下したため、居場所支援の開催数の見直しを行い、月2回だった居場所支援を月1回に変更した。今年度は学生ボランティアの参加対象を拡大し、ボランティアサークルと居場所支援に関心のある学生に門戸を広げた。そのことがボランティア参加数の増加につながった。 OD当事者の多くは、ここ数年で自分たちがしたいことを意思表示し、それを実現に向けて行動する経験を本居場所以外の場でも身につけたようで、その経験を活かし、今年度は花火やクリスマス会など、季節に応じたイベントを学生ボランティアと協働しながら企画・実践することができた。 居場所に当初から参加している女性にインタビューを行い、本居場所が自分にとってどのような存在であったのかを聴取した。彼女からは起立性調節障害の中高生時期の自分にとって、本居場所が大変意義ある存在であったことが語られ、その語りの内容を分析し、学会報告を行った。 数年間にわたる継続実施の結果、OD当事者各々が病気と向き合いつつ居場所の開催を心待ちにし、開催日までの体調の自己管理を行うなど、本居場所が学校に登校できない時期の心の拠り所となっていたと話すOD当事者もいた。研究者が数年にわたる居場所支援の取り組みをSNSにて随時発信することで、起立性調節障害の当事者や保護者、親の会の目に留まるなど、一定の啓発につながった。 本居場所のOD当事者の多くは起立性調節障害の症状自体が概ね寛解し、大学生として学生生活を楽しむ者、高校卒業後のアルバイトに精を出す者など様々な生活を送っている。自分たちが一番辛かった時期を支えてくれた居場所を、不登校や同じ起立性調節障害の症状により登校できていない児童生徒を対象として新たな居場所を作りたいと考え、自発的な話し合いを重ね、実際に居場所の運営を始める者も出てきた。
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Report
(4 results)
Research Products
(4 results)