Project/Area Number |
20K02771
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09040:Education on school subjects and primary/secondary education-related
|
Research Institution | National Institute of Fitness and Sports in Kanoya (2021-2023) Nayoro City University (2020) |
Principal Investigator |
関 朋昭 鹿屋体育大学, スポーツ人文・応用社会科学系, 教授 (20321367)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2021: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2020: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
|
Keywords | 部活動 / 過熱化 / 矛盾の構造 / 教育課程外 / 自主性 / 現象 / 数学的手続き / 定義 / 倫理 / 価値 / 部 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、スポーツをする上で避けることができない「勝利至上主義」に着目し、大会、コンクール、発表会等々で勝利を目指すとなぜ過熱化につながってしまうのかという根源的な問いから、そのプロセスを解明することが目的である。 研究方法としては、「部活動」「過熱化」の概念ならびに定義づけを行う。さらに、勝利のみを追求する価値観や考え方および部活動における目的や手段を原理的かつ倫理的な観点から考察し、仮説プロセスを作成する。その仮説プロセスをもとに、先駆的実践を展開する二つの事例研究を通じて、過熱化のプロセスを実証的に証明する。これらの結果を踏まえ、部活動が「過熱化」する根源的なプロセスを解明する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度に実施した研究は、運動部活動が過熱化させてしまう一つの要因として考えられてきた保健体育教師について検討した。具体的には、保健体育教師の職業的社会化を整理し、「幼児期」「少年期」「青年期(後期)」「壮年期」「老年期」ごとに考察した。その結果、保健体育教師が運動部活動と向き合っていくためには「同僚性」という視点が重要な意味をもつことが導出された。この成果は、保健体育教師は刻下の運動部改革とどのように向き合っていけばよいのか、この問いへ示唆を与えるものである。 研究期間全体を通じた研究成果としては、部活動が過熱化する根源的なプロセスにおいて、部活動が抱えるそもそもの矛盾の構造を明らかにした。以下はその議論の要約である。部活動は「教育課程外」という認識が重要であり、「自主性」が保障されていなければならない。しかしながら、生徒たちが自主的に活動できる時間帯は限られており、それは「教育課程外」の時間帯だけである。部活動の活動時間に関しては、生徒が「自主的」に決められるはずであるが、生徒たちだけでは決めることができない。ここに部活動の矛盾の構造がある。次に、そもそも学校は「教育課程」を学ぶ場である。にもかかわらず、「教育課程」よりも「教育課程外」を最重視する教員や生徒が存在する。これは論理的に間違っている。これまでの先行研究が指摘してきたことに、部活動の教育効果が高いというものがある。「教育課程」では学べない社会性や人間性が備わるという理由であるが、「教育課程外」での活動時間が長ければ、良くも悪くも教育効果が得られるのは当然である。 総括として、学校の部活動が抱える矛盾の構造は以下である。矛盾1:部活動は生徒の「自主的」な活動には成り得ない構造である。矛盾2:学校は「教育課程」を学ぶ場であるにもかかわらず、「教育課程外」を最重視する雰囲気がある。
|