Project/Area Number |
20K04741
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 22050:Civil engineering plan and transportation engineering-related
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
柳原 崇男 近畿大学, 理工学部, 准教授 (10435901)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2020)
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Budget Amount *help |
¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2021: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 免許返納 / 高齢ドライバー / 健康関連QOL / 健康 / モビリティ |
Outline of Research at the Start |
近年、高齢ドライバーの起こす事故がマスメディアなどに大きく取り上げられ、地方自治体などでも積極的に免許返納を高齢者に勧めている。しかし海外での研究では、免許返納者は、外出手段を失うため、健康に影響があるとの報告があり、必ずしも免許返納が社会的にプラスとは限らない。つまり、運転能力を勘案せず、全国一律に免許返納を進めることは、高齢者の閉じこもりを増加させるなどの問題がある。そこで、本研究では、地域特性が高齢者の免許返納後の交通行動と健康状態に与える影響を分析し、超高齢者における地域の交通環境のあり方についての基礎データを取得することを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
我が国では高齢化に伴い、高齢の運転免許保有者が増加している。それに伴い、自主返納者を支援する動きが近年活発化している。一方、免許返納者は運転免許を返納することで,健康や外出機会の減少が懸念される。海外の研究によると、運転停止が抑うつ症状の増大、社会的関与の減少、死亡リスクの増大などが報告されている。国内では、運転停止は、機能的制限のリスクに作用すると報告し、公共交通や自転車などを利用することにより、緩和される可能性を指摘している。これらの研究から、運転免許返納等による運転停止は、様々な機能低下のリスクや社会関与の低下を増大させるが、運転免許返納後、どのような要因が、健康等に影響しているかは、十分に明らかになっていない。 そこで、本研究では、運転停止者の健康状態およびQOLに影響を与える要因を分析し、運転停止後の健康維持について考察することを目的とし、滋賀県米原市にて、アンケート調査を行った。アンケートは無作為に世帯を抽出し、ポスティングで配布を行った。調査期間は2020年11月15日~2020年12月6日までとした。回収方法は郵便回収とし、2666部配布を行い、432部回収、うち有効回答数は400部であった。 その結果、運転停止者は免許保有者に比べ、QOLは低く、社会活動も活発でないことがわかった。また、運転停止者の交通行動とQOL、社会活動を分析すると、自転車利用者および公共交通利用者のQOLが高く、社会活動が活発であることが示唆された。この結果は、既往研究の運転停止後、公共交通利用者や自転車利用者は、機能低下のリスク低下を緩和させるかもしれないという結果に合致していると思われる。しかし、今後は、米原市の施設の立地状況や公共交通サービスレベルとの関係性を検討する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍のため、地域の協力が得られない状況であり、都市部での調査が実施できていない。しかし、実施予定を少し変更し、2年目に実施予定だった地理情報システムによる地域分析を進めているため、トータルの計画としては、それほど遅れていないと思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
地方部の調査が実施終了したため、今後は、都市部の調査を実施予定である。その後、アンケートの分析および地域特性を把握する。分析は、GIS(地理情報システム)を利用し、公共交通機関、病院、買い物場所等へのアクセシビリティを分析し、地域特性が高齢者の健康維持に与える影響を明らかにする。具体的には、各都市を小学校区の地区レベルに分割し、公共交通に関しては、国土交通省による地域公共交通の「サービスのアクセシビリティ指標」評価手法を用いる。 令和4年度は、令和2年度に回答して頂いた回答者に再びアンケートを実施する。これにより、2年前と現状の移動状況、健康状況を比較し、免許返納が移動や健康に与えている影響について分析する予定である。 ただし、現状のコロナ禍で、地域住民の協力がなかなか得られない状況であるため、地域に赴いての調査協力依頼ができず、アンケートの回収率が想定よりも低い状況にあり、有効サンプル数が減少している。そのため、配布枚数を増加させるなどの対策が必要かもしれない。
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