Investigating the conservation mechanisms of native crops and local agri-food cultures in Monsoon Asia: A cross-national comparative analysis
Project/Area Number |
20K06289
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 41020:Rural sociology and agricultural structure-related
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
冨吉 満之 久留米大学, 経済学部, 准教授 (20506703)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣田 勲 岐阜大学, 応用生物科学部, 准教授 (50572814)
篭橋 一輝 南山大学, 国際教養学部, 准教授 (60645927)
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Project Period (FY) |
2022-11-15 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 農業生態系 / ホームガーデン / 大和野菜 / 栄養繁殖 / キャッサバ / ランドケア / 暗黙知 / 代替可能性 / ラオス / 関係価値 / 種子システム / 中国 / 価値創出 / 種苗交換会 / オーガニック直売所 / 小規模農地 / 地域固有 / 飛騨美濃伝統野菜 / 認証委員会 / 植物学的特徴 / Seed Commons / 阿蘇高菜 / 生業 / 種子保全 / 遺伝資源 / 自家採種 / 関係的価値 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、アジアの3ヶ国(ラオス、中国、日本)を主な対象として、作物の在来品種の持続可能な継承条件を解明する。世界各地で在来品種の消失が進む状況にあって、生物多様性条約などの国際的枠組みや農民の権利(・食料への権利)といった形で、保全に対する議論や運動が進んでいる。本研究では、研究蓄積の少ないモンスーンアジアを対象とすると共に、環境経済学(特に「関係的価値」の概念)、農業経済学、社会学、農学の分野から、領域横断的に3人の研究者が連携し、理論的・実証的に継承のメカニズムを明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
国内に関しては、メンバー全員で長崎県雲仙市、奈良県、岩手県、福岡県における在来品種や種子保全の現地調査を行い、多角的な視点から分析を行った。また、代表者は2022年度に所属する機関の在外研究の制度を利用して、比較対象国のスリランカで滞在型の研究を実施しており、そこでの調査結果を本科研にも応用する形で国内事例の分析を進め、研究成果の発表を行った。 ラオスに関しては、住民によるホームガーデンでの「無意識的な」繁殖が、植物の多様性の維持に一定の影響を与えていることを明らかにした。その上で、種子の継承の土台となる生業の多様性に関しても、調査を行った。一方、中国については、国内情勢の影響により、現地調査における安全性の確保が不透明なため、研究協力者などを通じての情報収集を進めた。 理論面では、「生業多様性」に関する国際的な議論や、国内研究者による地域単位論についてのサーベイを行い、ラオスの対象地域の分析を進めると共に、他の対象国への理論的枠組みの援用の可能性について検討した。次に、環境経済学の視点から、自然資本の代替可能性を分析するための枠組みに関する理論的考察を進めた。その上で、シードセイバーズといった保全活動が活発な豪州を対象として、ランドケアの取り組みの一環として種苗の育成システムが発達していることに注目し、参与観察や聴き取り調査を進めた。その結果、コミュニティに蓄積される暗黙知の様態を明らかにした。 以上の調査および分析の結果をもとに、国内外の学会での報告、論文および書籍(単著)といった形で成果を発表することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
代表者の学内用務(役職)の都合から、海外調査の実施時期にかなりの制約が生じたため、ラオス現地調査を次年度以降に延期することとした。また、中国に関しても情勢の変化により現地調査の安全性の確保が不透明なため、協力者などを通じた情報収集に留まった。一方で、分担者のラオスにおける一連の調査および研究発表が進み、成果をあげていることや、環境経済学の理論面からの分析も進み、著書などの形で成果が得られている。よって、プロジェクト全体での進捗は概ね順調だと判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
生業多様性に関する文献調査の継続、理論面での強化を進める。また、ラオス現地調査に向けた現地との情報共有と、スケジュール等の詳細な計画の策定を早い段階で進める。代表者による理論的枠組みの集約および書籍の出版に向けた準備を進める。
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Report
(3 results)
Research Products
(22 results)