MYRF遺伝子を起点とした発熱時言動異常の病態解明
Project/Area Number |
20K08241
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 52050:Embryonic medicine and pediatrics-related
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
倉橋 宏和 愛知医科大学, 医学部, 講師 (30621817)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 洋平 愛知医科大学, 医学部, 准教授 (30383714)
奥村 彰久 愛知医科大学, 医学部, 教授 (60303624)
荻 朋男 名古屋大学, 環境医学研究所, 教授 (80508317)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2023: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | MYRF / 可逆性脳梁膨大部病変を有する軽症脳炎・脳症 / ミクログリア / ミエリン / オリゴデンドロサイト / 可逆性脳梁膨大部病変 / MERS / 急性脳症 |
Outline of Research at the Start |
我が国において、発熱に伴ってうわごとを言うなどの意識障害は稀ではなく、重篤な場合はインフルエンザ感染に伴う異常言動のように社会問題となりえます。MERS(可逆性脳梁膨大部病変を有する軽症脳炎・脳症)は、発熱に伴い異常言動を呈する代表的な急性脳症です。我々は、2家系のMERS家族例においてMYRF遺伝子変異を同定しました。この研究は、MYRF遺伝子に着目して、その遺伝学的背景をより明らかにすること、また、変異MYRFについてモデル動物やモデル細胞を作成し、その特徴を明らかにすることを目的としています。
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Outline of Annual Research Achievements |
MERS(可逆性脳梁膨大部病変を有する軽症脳炎・脳症)は、発熱に伴い異常言動を呈する急性脳症である。急性期の頭部MRIで脳梁膨大部に異常信号を呈することが特徴で、大脳白質の主要な構成要素であるミエリンの障害が示唆されている。我々は、2家系のMERS-異常言動スペクトラム家族例においてMYRF遺伝子変異を同定し、発熱時の異常言動と深く関わっている可能性を見出した。MYRFはオリゴデンデンドロサイトに発現し、ミエリン化・髄鞘維持に必要なDNA転写調節因子である。本研究の目的は、MYRF遺伝子に着目してMERS-異常言動スペクトラムの病態を解明することである。この目的を達成するために以下の研究を行なっている。1)MERS-異常言動スペクトラム症例に対する次世代シークエンス解析: MYRFにより発現が制御される遺伝子のうちミエリンに発現するものは約700あると報告されている。我々はMERS反復例・家族例を収集し、MYRF遺伝子に加えて、これらのMYRF遺伝子により発現が制御されうる遺伝子に注目してバリアントの解析を行っている。また、MERS症例だけでなく、発熱に伴う言動異常を呈した症例についても、同様の解析を行う。新規のMERS症例に対しても、MYRF遺伝子を含めた同様の解析を行う。2)iPS細胞用いた研究:MYRF遺伝子変異を伴うMERS患者由来のiPS細胞作成、および、iPS細胞からオリゴデンドロサイトへの分化をより効率的に行うための実験を行なっている。また、MYRF遺伝子変異を有する患者検体を用いてiPS細胞の樹立を試みている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
MERS-異常言動スペクトラム症例に対する次世代シークエンス解析:MYRF遺伝子変異を認めた家系以外の症例を集積し、MERS反復例・家族例に対し次世代シークエンス解析を行った。MYRFが発現に関与している可能性のある遺伝子のバリアントに着目して解析を行った。その結果、遺伝子全体でのバリアントの数は対照群と差がなく、高頻度でバリアントを認める遺伝子も同定できなかったものの、低頻度ながらバリアントを認める遺伝子は対照群とは異なっていた。バリアントを認める遺伝子のうち、中枢神経系と関連の強いものに着目して解析を進める。また、新規の脳症症例においてMYRF遺伝子のあらたなミスセンスバリアントを同定したため、そのバリアントについても病態との関連を検討する iPS細胞を用いた研究:オリゴデンドロサイトへの分化を短時間で効率的に行うために、至適な環境条件についての検討を継続している。また、MYRF遺伝子変異を伴うMERS患者由来のiPS細胞を作成中である。
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Strategy for Future Research Activity |
MERS発症の病態解明のために、MYRF遺伝子に新たに同定したミスセンスバリアントがMYRFに及ぼす影響を検討する。次世代シークエンス解析について、今後も新規症例を集積し解析を継続する。iPS細胞のオリゴデンドロサイトへの分化はさまざまな条件での分化効率の検討を継続する。その結果をもとに、患者由来のiPS細胞からも分化誘導を試みる。
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Report
(3 results)
Research Products
(13 results)
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[Journal Article] Acute encephalopathy in children with tuberous sclerosis complex.2021
Author(s)
Numoto S, Kurahashi H, Sato A, Kubota M, Shiihara T, Okanishi T, Tanaka R, Kuki I, Fukuyama T, Kashiwagi M, Ikeno M, Kubota K, Akasaka M, Mimaki M, Okumura
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Journal Title
Orphanet J Rare Dis.
Volume: 16
Issue: 1
Pages: 5-5
DOI
Related Report
Peer Reviewed / Open Access
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